【元デリヘル店長の回想録】本指名数がハンパない伝説の風俗嬢

 一般的な風俗嬢の本指名率は、およそ1割程度。売れっ子といわれるキャストでも3割あればいい方だが、Aは1カ月の本指名率が5割超えという異常な成績を常におさめていた。

 単純計算で、彼女と遊んだ2人に1人が本指名としてリピート客になるという計算だ。もちろん1カ月の間に彼女と数回遊ぶ人もいるだろうし、この限りではないにしても異常な数字だろう。

 一日の予約は常にいっぱいで、そのほとんどが本指名という人気ぶりは、当時まだ業界経験の浅い私にすら、純粋に「この人はすごい」と思わせるものだった。

 他のキャストが暇していることが多い閑散期であっても、Aだけは常に予約でいっぱい。忙しく稼働していたのが印象的だった。


【Aの仕事に対するスタンス】

 彼女がなぜそこまで人気だったのか。それは、顧客からの要望に対して


「決してノーと言わない」


 というスタンスだったからだ。

 イラマチオ、SM、そして本番…。ハードプレイを含む、顧客の欲望のすべてに応じるスタイルは、到底他の女性に真似できるものではない。

 感女は最終的に、業界でNNと呼ばれる、いわゆる本番+中出しOKという高級ソープもビックリのサービスまでしていたというのだから驚きだ。

 また、彼女は人一倍カラダのケアに敏感な風俗嬢だった。

 他人と直接肌を重ね合わせるという仕事柄、意識が高いにこしたことはない。特に性病などに関しては、粘膜の接触が多くなるほど発症する可能性も高いだろうし、普通の人よりも定期的な検査が必要だ。

 しかし実際には、自分のカラダをあまり気遣わない嬢もいるにはいる。治療することに頭は回るが、予防することには意識がいかない人間が多いのだ。発症すれば完治するまで仕事はできず、結果自分の首を絞めるだけなのだが…。

 Aはそんな状況になる方が自分の不利益に繋がるということを良く分かっていた。一週間に一度はかかりつけの病院で定期健診を受け、必要があれば治療、また予防に務め、常にコンディションを整えていた。それはまさに、プロ意識そのものだった。

 いかに楽にお金を稼げるかしか考えない嬢に比べれば(もちろん、それを完全に否定することもできないが)、仕事に対する意識は月とスッポン。月にして100万円以上の稼ぎの差が出るのも当然だろう。

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