【元デリヘル店長の回想録】現役バリバリのエロナースにごっくんしてもらった話


 “ナース”という言葉を一般的に聞かなくなって結構な月日が経つ。

 2001年頃からナースや看護婦といった女性限定を指す単語は、看護師に統一されてしまった。

 だが、いまだにナースコールやナース服といった言葉は改正されておらず、その名残は残っていて、完全に存在が消え去ってしまったわけでもない。

 …まぁ、結局何が言いたいのかというと、私はナースが好きだということだ。

 どんな時でも笑顔で対応する振る舞い、面倒見の良さ、なにより人に尽くそうとする精神…。まさに男性にとって理想の女性像ではないだろうか。

 そんなナースの仕事に就いている女性も、風俗で働いていることがある。

 今回ご紹介するのは、性欲の溢れる現役エロナースを講習した時の話だ。

 

【風俗嬢と体の関係~サチの場合~】


「失礼します」

 ペコリと頭を下げて礼儀正しく面接室へ入ってきたその女性は、顔立ちの整った美人顔。

 肩辺りまで伸びた黒髪と、派手さをまったく感じさせないナチュラルメイクは、彼女の清楚な雰囲気をより際立たせていた。


「よろしくね。えーっとお名前は…」

「あっ、サチです」


 少し慌てながら、取り繕うように自己紹介を始めるサチは、身振り手振り懸命に自分のことを話す。

 風俗業界では珍しい一生懸命な性格の彼女を見て、私はつい「ふっ」と笑ってしまった。


「て、店長さん! どうして笑うんですか…」

「ごめんごめん。一生懸命で可愛いなと思って(笑)」


 唇をきゅっと噛んで、ちょっとふてくされた表情になる彼女。

 おそらく、根が真面目なのだろう。真剣に話しているところで私が茶化してしまったのがいけなかった様だ。


「ごめんね。茶化したわけじゃないんだよ。ただ、サチみたいなタイプの子って珍しいからさ」

「珍しい…ですか?」

「うん。風俗で真面目にしようって子は少ないんだ。だから、サチには期待してるよ。頑張ってね」

 “期待している”という言葉は、素直で真面目な人間にほど効果が発揮される。

 「必要とされている」その事実に、自身のアイデンティティーを感じるのだろう。

 サチはまさにそのタイプで、私の言葉に目を輝かせ、


「はい! 一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします!!」


 と、大きく返事したのだった。

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