こんなファーストメールを送ったところ、10分ほどで返信が届いた。そこからメールのやり取りを行い、すぐに話がまとまって約束が成立した。
素人のバツイチ女性が、性欲を抑えきれずムンムンとしていただなんて。これはかなりムーディーなエッチが楽しめそうではないか! 色気がにじみ出るようなセクシー女性に違いない。勝手な妄想がどんどん膨らんでしまう筆者なのであった。
待ち合わせ場所は、新宿アルタ前。ドキドキしながら待っていると、時間通りにヒメちゃんらしき女性がやって来た。
チッ!
かなりポッチャリした体型で、セクシーさの欠片も感じられないタイプだった。顔はというと、女優として活動している現在の高橋由美子を彷彿させるオバサン系だ。
ぐぬぬぬぬッ
若かりし頃の高橋由美子は大好きだが、現在の彼女に対して性欲を感じたことは一度もない。これは久しぶりの“顔パス”案件か?
普通の男性なら迷うことなく回れ右して逃げ出していたことだろう。しかし、ストライクゾーンの広さを自負している筆者なので、これくらいで逃げてしまっては名折れになってしまう。
よっしゃ、ここはひとつ脳内フィルターをかけるしかない。このヒメちゃんを10代後半の頃の高橋由美子だと思い込んでことに当たってみよう!
グラス、オフ!
仮面ライダーカブトがマスクドフォームからライダーフォームにキャストオフする際のかけ声のノリで、脳内でつぶやく筆者。そして、かけていた眼鏡をジャンパーの内ポケットにそっとしまった。
筆者は視力が悪く、眼鏡を外したら車の運転は絶対にできない。しかし、繁華街を人にぶつからず歩く程度のことなら辛うじてできるのだ。
もちろんベッドインの際には必ず眼鏡を外しているが、こうも早く外したのは初めてかもしれない。
こうしてフォームチェンジを終えた筆者は、覚悟を決めてヒメちゃんに近づき声をかけた。
「こんばんは、ヒメちゃんだよね?」
「は、はい!」
「さっき【イククル】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「は、はい。こちらこそお願いします」
「じゃ、早速だけど向かおうか?」
「わ、わかりました」
どうやら、ヒメちゃんはかなり緊張しているようだ。こうした女性に遭遇した場合、いつもなら安心してもらうべく道化に徹するのが筆者のやり方だ。
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