“都内4大ラブホテル街”のひとつ鶯谷にある線香臭いラブホ


 正確に数が把握できないのは、風営法に基づいたラブホテルとしての経営と、旅館業とか混在していることによる。最近は、一般旅館業として登録しているホテルが、時間帯貸しでラブホテル同様に利用できたりもする。

 ここ最近の鶯谷のホテル街の特徴といえば、リニューアルオープンをするホテルが続出していることだろう。外観や内装を改築するところもあれば、オーナーチェンジなどで店名からすべてを変えるホテルもある。外国人観光客が純粋に宿泊施設としてラブホテルを利用することが増え、それに対応する意味もあるそうだ。

 いずれにしても、より利用しやすくなっている鶯谷のラブホテル街だが、ある都市伝説が存在する。それは『A』というホテルに対するもので、聞こえないはずの足音が聞こえた、いきなりテレビが点いた、最中に人の気配を感じた、といったものだ。

 Aの外観は、古き良き昭和のモダンレトロな佇まいだ。こういったホテルは、界隈に詳しい関係者曰く「三十年前までは何軒か残っていた」が、多くは老朽化で取り壊され、現在、洋式のホテルなどに建て直されている。しかし、このホテルだけが戦後に建てられ、そのまま残っているという。

 このホテルに呼ばれたことがある三十代の風俗嬢は、

 
「中に入るとお線香のニオイが漂っていることがあるの。オシャレなお香ではなく、仏壇に供えるお線香そのもの。畳の部屋もあるんだけど、そこにお線香のニオイが染みついている気がした」

 
 と教えてくれた。さらに、お風呂は現在となっては珍しいタイル張りで「昔、田舎のおばあちゃんの家で入ったお風呂みたい(笑)」と笑った。もちろん掃除などは行き届いていて、情緒ある温泉旅館のようだという声もある。しかし、この線香のニオイが気になる利用者も少なくないようだ。

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