【ニッポンの裏風俗】松山・土橋:敷居は低くても上がれなかった“ちょんの間”


 かつて、道後にあった赤線街「ネオン坂」とは違い、こちらは今も現役で、スナックや旅館風の店の中で、夜毎、大人のオアソビがなされるわけです。

 

大街道の歓楽街。三番町はすぐ隣だ

 
 そしてもうひとつ、伊予鉄道・松山市駅の隣にある小さな駅・土橋駅の裏手にも、ちょんの間が残っています。その取材旅行の目的のひとつが、“今度こそ土橋に上がってやる”というものでした。「今度こそ」というのは、その前にも一度、上がれずに尻尾を巻いて逃げ帰った経験があったからなのです。

 そのちょんの間は、かつての青線の名残りと言われ、ふたつの路地にズラッと住宅というか、看板のない店舗風の建物が並んでいます。

 
「こりゃ、夜になったらけっこう賑やかな街だろうな」

 
 と想像しがちですが、灯りが灯るのはその中の数軒という寂しい路地です。夜と言わず昼間でも、路地に足を踏み込むと、大型犬が吠える声が狭い路地に響き、路地の奥を探検する足もためらってしまうほどでした。

 

これは2004年時点。ここから10年以上、この路地の時間は止まったままだ

 
 「よしっ」と覚悟を決めその路地を覗くと、その晩、赤い電灯が灯っているのは2軒だけでした。路地で掃き掃除をしているおばちゃんがどうやら水先案内人らしく、様子をうかがう筆者に声をかけてきました。

 
「こんばんわ。どちらかお探し?」 
 
「い、いえちょっと、あの…。今空いてるのってここだけなんですねー」

 
 と、かつてのこの街の常連風に言ってみても、おばちゃんにはバレバレです。標準語だし…。

 

路地から表通りまで掃き掃除をしているおばちゃん

 
「どんなコがいるのかなー」

 
 そう、ひとりごとを言いながら、恐る恐る人の気配のある一軒の店の戸に手を掛けました。

 
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