【ガチンコ素人ハメ撮り地獄変】出産費用を捻出するため売春に勤しむ女


 これまでの妊婦売春は、人三化七(にんさんばけしち)の「金、くれるのかしら?」といったクリーチャーばかりだったが、この女性は売春しているような雰囲気はなかった。妊婦の売春の主な動機は「中絶費用の捻出」だが、彼女の場合は「出産費用を捻出するために援助交際に精を出している」という、稀有な例だった。ちなみに彼女の夫婦関係は良好らしく、夫の稼ぎが心もとないので、夫の安月給の足しにしているという。

 個人的には「別れて自活した方が生活が楽になるのではないか?」と思ったが、夫婦間の価値観は傍目には理解できるものではない。そもそも、エロ本編集者に彼女らの価値基準を知る術はない。

 撮影に必要な下着姿などを取り終え、いざ本売と相成った。妊娠間近の腹は「胎児に悪影響を与えるのではないか?」「そもそも、中出ししても大丈夫なのか?」という不安があったものの、いざ事に及ぶとどうでもよくなる。

 ただ、妊婦に中出しというのは、特殊な性癖を持ち合わせていないと、どうも萎える。腹が膨らんだ女とエロいことをしても「胎児に影響があるのではないか?」という不安から、ハメ撮りするにも普通のネーチャンのように雑に扱えない。

 それでも何とか誌面構成に必要な写真を撮影したが、遠慮がちであったためハメ撮り写真としてはどうにも物足りない。どうせやるなら、ハメ撮りしている横に子供の姿を写していれば、まだ鬼畜系のハメ撮りになって一部好事家から人気を博したかも知れなかったが…。

 ハメ撮りの基礎は、社会常識や良心をゴミ箱に捨てることから始まるので、筆者のように被写体の身体を慮っていてはエロい写真など撮れようがない。撮影した写真を見る限り、モデルに対してあれこれと気遣いしていたら、クソの役にも立たない写真が出来上がる。

 「安定期だから普通にしていいよ」とモデルから気を使われたのだが、腹がパンパンの状態のネーチャンにムチャをする度胸はない。「早く帰りたい」と心から願い、ギャラを渡してさっさと編集部に戻りたかった。

 こちらの思惑を無視するように、彼女はピロートークで「お金貯めて旦那の子供を産む出産費用を稼いでいるんだ」と屈託のない笑顔でピロートークを繰り広げる。こちらのオニンニンは萎えるを通り越して暗澹たる気分に。まぁ、妊婦に平然と中出しをキメ込んで良心的なことを考えたところで欺瞞もいいところなのだが。

 編集部に戻り、妊婦ハメ撮りの写真を編集長に見せたところ「ウチはマニア向けの雑誌ではない」と一蹴され、紙面掲載は見送られた。

 しかし、他の編集者の企画を見ると、母乳風俗やら随分とマニアックな企画のオンパレード。「どこに需要があるのだろう?」と思っていたら、我が編集部が発行した「人妻モノ」は、返品率8割を超えるという近年まれにみる大赤字を記録した。誌面構成が「人妻」「熟女」というジャンルを大きく外れ、コンビニ向けのエロ本の内容ではないのだから当たり前といえば当たり前だが。
(文=伊藤憲二)

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