韓国デリヘル、“今が狙い目”なワケ

※イメージ画像:Thinkstockより

 さまざまな業界同様、風俗の世界にも流行というものはある。その移り変わりは激しく、定着するものもあるが、廃れていくことが多い。まさに栄枯盛衰。そんな風俗業界で面白い動きを見せるのが、『韓国デリヘル』だ。

 この韓国人女性によるデリバリーヘルスは、東京では約10年前に鶯谷を中心に流行った。ピーク時には、風俗情報媒体の広告の6割を占めるほどの勢いがあった。現在はというと、ある広告代理店の営業に聞けば、「今は1割に満たない媒体が多い」とのことだった。

 隆盛期、聖地と呼ばれた鶯谷では、客との待ち合わせ場所であった駅前や待機所代わりのファーストフード店でハングルが飛び交っていた。そういった光景は、今、ほぼ見ることができない。

 こうなったのには、さまざまな理由が考えられるだろう。筆者がまず思いつくことといえば、ホームページなどに掲載されたプロフィール写真だ。これらの多くがパソコンを使い過剰に修正されていて、まるで人形のような顔と肌質であった。

 当時は今ほど画像修正ソフトの存在が一般的ではなく、本当の姿だと思ったユーザーも少なからずいて、その結果、実際に女性を見てあ然とするなんてこともあったようだ。当然、客との信頼関係なんて築けるわけもないのだが、それでも、写真加工を“お家芸”的に捉えて利用する客がいたのは救いだろう。

 次に考えられることは、ぞんざい(だと感じる人が多い)なサービスだ。ただこれは、如何ともし難い部分もあった。来日したばかりで日本語が理解できないコなどもいたのだから。まぁ、中には日本語を理解していながら、自分に都合の悪い場合に「ワカラナイ」と“逃げる”女性もいたが…。

 こういった悪評があったにもかかわらず、なぜ韓国デリヘルがある程度の支持を得たのかといえば、多くの人にとって“フィニッシュ”が目的だったからだろう。詳細は省くが、キスや全身リップなどはやらずに“それだけ”、という風潮があったのは事実だ。

 筆者が実際に経験したのは、30分遅刻された上に、部屋に入ってくるなり「ツギ、キャク、イルカラ!」と服を脱ぎ、股を開いて一言「カモン!」と言われたこと。これでは興覚めである。そこで、なかなか射精しないようにした。すると、嬢は何度も「早く!」と促してきた。その時に頼んだのは80分コースで、時計を見るとまだ15分しか経っていなかった。そして、いよいよ業を煮やした嬢は、筆者のイチモツを自分の身体から離し、猛烈な手コキで発射させると、シャワーも浴びずに部屋から出て行った。

 これはさすがに極端なケースかもしれないが、それでも『韓デリ』人気がピークに達すると、「より稼ぎたい」という考えは蔓延し、遅刻や時間短縮が当たり前になっていった。それはもう、派遣型ちょんの間とでも言えそうなレベルだった。もちろん、評価は徐々に下がっていき、韓国デリヘルの数は減っていくことに。しかし、これが良い薬になったようだ。

 先日、“たまには”と思い、鶯谷の老舗韓国デリヘル『A』を利用してみた。サイトのプロフィール写真は相変わらず加工アリだったが、昔ほどではなかった。化粧にたとえるとナチュラルメイクといった感じだ。実際に会ってみても、写真とのギャップはそれほど感じられなかった。

 さらに驚かされたのは、遅刻をせずに定時に女性が来て、「Aから派遣されましたミホです。よろしくお願いします」ときちんと頭を下げたことだ。以前の韓国デリヘルでは考えられない、丁寧な対応だった。しかも、「お風呂の用意をしてきますね」とバスルームへ向かって準備を始めるのだから、当たり前といえば当たり前だが、昔が昔だっただけに、格段に進歩したように感じられた。

 シャワーでもジックリと洗ってくれただけでなく、自分の身体に石鹸の泡を付けて密着してきたり、仁王立ちフェラをしてくれたりと、ソープランド並みのサービス。また、ベッドでも積極的に求めるようにディープキス。舌をねじ込むようなキスは、韓国デリヘルでは初めての体験だった。乳首舐め、全身リップも実に丁寧で、丹念に舐め尽くしてくれた。これだけの誠意を見せられれば、もちらの準備ももちろんOK。その結果、時間内に2度イクことができたのであった。

 プレイ後、見違えるように変わったサービスに驚いたことをミホさんに伝えた。すると、在籍8年になるという彼女は、過去のサービスの非を認めた上で、「生き残るためには、シッカリとしたサービスが必要だ、という話になったんです」と教えてくれた。

 彼女が在籍している店では、3年前から訪問時の服装や接客マナー、サービス内容を見直し、それをマニュアル化。女性に徹底的に叩き込み、女性に非があるクレームが来た場合には、ペナルティが課せられるようになったという。これにより、女性のクオリティが向上。同店の影響もあり、周辺でもサービス向上に努める韓国デリヘルが増えたそうだ。生まれ変わろうとしている韓国デリヘルは、今がまさに“旬”なのかもしれない。
(文=子門仁)

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