ピンク映画のミューズ・朝倉ことみインタビュー!! いかにして彼女は愛される存在になったのか ~『OP PICTURES+フェス』いよいよ開催~

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 ピンク映画の最大手「大蔵映画」の新プロジェクト『OP PICTURES+(オーピーピクチャーズプラス)』による特集上映『OP PICTURES+フェス』が8月20日からテアトル新宿で開催される。これはR-18の成人向けピンク映画を幅広い層に観てほしいと、ドラマ部分を充実させたR-15バージョンを制作して一般劇場で公開する企画上映で、山内大輔(やまのうち・だいすけ)監督や城定秀夫(じょうじょう・ひでお)監督など、現在のピンク映画界を代表する監督の手掛けた選りすぐりの全9作品がラインナップされている。

 中でも注目の作品が、1989年から続くピンク映画界のアカデミー賞『ピンク大賞』で、主演女優賞と新人女優賞のW受賞を果たした朝倉ことみが主演を務める『よみがえりの島』(山内大輔監督)だ。本作は沖縄県石垣島を舞台に、売れない官能小説家(川瀬陽太)と、その才能を信じて献身的に支える妻(朝倉ことみ)の愛を綴ったメロドラマで、抑制された俳優陣の演技と感傷に流されない飄々としたタッチが深い味わいを残す。

 今回は、一途な愛を貫き通すヒロインを好演した朝倉ことみに、ピンク映画に関わるようになった意外なきっかけや、撮影の裏話を中心に話をうかがった。

 
――朝倉さんはAVデビューが2010年で、2015年1月2日公開の『痴漢電車 悶絶!裏夢いじり』(山内大輔監督)が初のピンク映画出演になります。本作は同年8月にR-15バージョンで『犯る男』と改題して、今回の『よみがえりの島』と同じくテアトル新宿で一般公開されましたが、そもそもどういう流れでピンク映画に出演することになったんですか。

「前からピンク出演経験のある仲良しの女優さんから『勉強になるよ』と言われていたので、いつか出たいと思っていたんですよ。AVと違って大きなスクリーンで自分の出演作を観られることに憧れもありましたからね。それで、ファンの方にもピンクに出たいってお話はしていたんです。そうしたら、ピンク映画が大好きでよく劇場にも足を運ぶファンの方から『出たいんだったら自分で伝えたほうがいい』って言われたんです」

――とはいえ、方法も分からないですよね?

「ずっと機会もなかったし、事務所を通さずに自分から言うのも怒られちゃうんじゃないかなと思っていましたからね。そうしたら、ファンの方がピンク大賞の投票用紙を持って来てくれたので、そこに『私はAV女優の朝倉ことみです。ピンク映画に出たいんです』みたいなことを所属事務所の名前と一緒に書いたんです(笑)。それをファンの方が大蔵映画の方に手渡してくれたんですよね」

――ものすごくアナログな方法で自己アピールしたんですね(笑)。

「そこからお話がくることは1パーセントもないだろうなぐらいに思っていたんですよ。ところが1年半ぐらい経って、『痴漢電車 悶絶!裏夢いじり』で主演の女の子を探している時に、大蔵映画の方が『そう言えば、朝倉ことみさんがピンク映画をやりたいって言っていたみたいですよ』って名前を出してくださったみたいで。それで山内監督にも『朝倉ことみさんはどうですか』って打診があって、私の所属事務所に連絡があったんです」

――まさかピンク大賞の投票用紙から、そんな展開になるとは!

「でも、事務所にはそのことを伝えていなかったので、マネージャーは『え!?』ってなったらしいですけどね(笑)。それで正式に話がまとまって、初のピンク映画出演につながったんです」

――それまで演技経験はあったんですか。

「実は小学3年から中学3年まで劇団に入っていたんです。ただ、演技をやりたいから入ったわけではなく、私が人見知りだったので、それを克服させるために親が所属させたんですよ。『このままじゃあなた、ひとりで生きてけないわよ』って(笑)。それでテレビや雑誌のお仕事などをいただいていました」

――効果はあったんですか。

「ありました。積極的にアピールしないと、かき消されていく業界ですからね」

――お仕事自体は楽しかったんですか。

「徐々に楽しくなっていきました。あと、私がテレビに出ているのを観るとお母さんや親戚も喜んでくれるから、私でも人に喜んでもらえるんだと思えたのも嬉しかったですね」

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