還暦オーバーも…おじいちゃんたちが殺到するホテヘル


 まずは、待合室に老人が多くて驚いたことを伝える。するとリリさんは、笑いながら「話題になっているから、年金支給直後はそれなりに忙しいの」と教えてくれた。また、「在籍している女性が40代中心の人妻店であることも大きいと思う。ギャル系の店だったら、いくら安くても来ないと思う」と分析していた。確かに、孫を連想させるような女のコとのプレイは気が引けるのかもしれない。

 また、老人客のリアクションは大まかに分けてふたつあるのだという。まずひとつ目は、「妻の若いころを見ているようだ」と昔を懐かしみながらプレイに没頭するパターン。そしてもうひとつは、「自分の息子の嫁に見立てて襲ってくるの。AVかって思っちゃうけど(笑)、これがけっこう多いのよ」とのことだった。

 同じ男として、両方ともの気持ちが分かる。それが実現してしまうのが風俗のいいところで、老いてもそれぞれのシチュエーションで風俗を楽しめるなんて、本当に素敵なことではないだろうか。

 しかし、やっぱり気になるのは、勃起するか否かだ。リリさん曰く、「60歳代はギリギリか、勃起しても柔らかめに大きくなるだけかな。70歳代になると…ムリめやな~。イジってると先走り汁は出てくるけど、発射するまでは…」とのことだった。

 中には、バイ○グラなどを服用する人もいるようだが、「久々に勃起したからか、痛がってプレイどころではなくなるお客さんも数人いた」という悲しい結末もあったようだ。こういった場合、呼吸も荒く乱れがちなので、「見栄をはらないで、何も服用しないで来店してほしい」とリリさんは話した。そして、高齢ゆえに心配な体調に関しては、ホテルヘルスということで、いざとなったらフロントに電話をして対応するのだという。

 個人的には、シルバー世代に向けたサービス自体は大歓迎だ。真面目な話、年老いてパートナーがいなくなることは珍しくない。一瞬でも寄り添える相手が風俗店にいてもいいと思う。また、風俗店で自分が男であることを再確認できれば、明日からの活力にもなりそうだ。逆に、自然の摂理とはいえ、自分が枯れたことを認めたくもないだろうが…。

 高齢化と少子化が同時に進んでいる日本。シルバー世代と風俗の付き合い方は、今後、風俗ライターとして取り組むべきテーマなのかもしれない。
(文=子門仁)

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