すべてはつながっている…緊縛師・一鬼のこ、ロープアートの集大成となる個展『Red』を開催

kinoko01.jpg「種」、「芽」、「成」、「枯」と食虫植物の生涯を真紅の縄で描いた珠玉の作品たち。本作は『芽』。メインの大作『成』は、個展にて展示されている。

 
 9月9日(水)から9月13日(日)まで、東京都・神保町画廊にてロープアーティストとしても世界的に著名な一鬼のこ氏(はじめ・きのこ)の個展『Red』が開催される。

 ロープを使ったインスタレーションや写真作品を制作し、ショーパフォーマーとして国内外で活動する緊縛師の一鬼のこ氏。日本の伝統的な緊縛の世界を現代に継承する彼は、蛍光ロープと独特なライティングから生み出される未来的な緊縛「Cyber Rope」でも知られる。今回、そんな彼の個展を間近に控えた制作現場にお邪魔して、作品が生まれる貴重な瞬間に立ち会ってきたので少し紹介したい。

 大久保駅にほど近い場所にある某スタジオ。数多くのスタッフが慌しく動き回っている中心に、汗をぬぐいながら真剣に作品の制作に没頭する鬼のこ氏の姿があった。

 彼の作品に共通するテーマは「つながり」。縛りのパフォーマンスや縄のワークショップなど、さまざまな縄にまつわる活動を精力的に行っている鬼のこ氏が、今回の個展で表現するのは、縄で相手を縛り付けたり捕らえたりすることではなく、「相手とつながる」ということだ。

 この日制作していた作品は、食虫植物をモチーフにした個展会場のメインとなるインスタレーション。虫を食べるシーンだけがピックアップされがちで、残酷なイメージのある食虫植物の一生。しかし、その食虫植物でさえも、食物連鎖のつながりの中で、生を果て、新たに種を生む。鬼のこ氏はそれを縄で表現するのだという。

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