【今だから話せる“時効風俗”】JRさんごめんなさい、リアル山手線ゲーム


 小型バイブ…正式には遠隔操作式の小型バイブである。いわゆる『とび○こ』のようなものだが、この時に彼女が装着していたのは、ケータイに接続すると着信のたびに作動するシロモノであった。たしか『モバイブ』という商品だったと記憶しているが…。

 つまり、この『電車でGo!Go!』と某ゲームをもじった名前を付けられたプレイは、客と嬢が新宿から山手線に乗り、乗車中にランダムに店側が嬢のケータイを鳴らし、バイブを作動させていたのだ。携帯電話がガラケーながらもカメラ付きになったりと進化し始めた2000年頃のことである。

 さて、前述のように、いわゆる『とび○こ』とは違い、作動は筆者の意思ではないので、イロイロな意味で予測不能であり、嬢も気が気ではなかったのだろう。新宿から反対回りで新大久保を目指した約1時間、普通に会話をしていても会話にならない。そして、突如、ムズ痒そうな顔をして「うっ!」とカラダをビクンとさせる。おそらく何も知らない第三者には奇異な光景に映っただろう。

 約1時間後に新大久保に着いて席を立った筆者は驚いた。なぜならば、シートに、ハッキリとではないが、ほんのりではあるが“シミ”が滲んでいたからだ。そして、嬢の薄手のスカートにはハッキリと…。それに気付いた嬢は、バッグで恥ずかしいシミを隠しながら新大久保の町を歩いてホテルへ…。筆者は、なんだかイケナイことをしてしまった感じが大きく(実際にはやってはいけないことだけど)、妙な興奮を覚えた。

 さて、この『リアル山手線ゲーム』ともいえる、このプレイには“あるオチ”が待っていた。ホテルにチェックインして通常のヘルスプレイに突入したのだが、あまり感じていない嬢。そう、電車での行為が刺激的過ぎたのだ。前戯で燃え尽きたセックス、とでも表現しようか…。何をしても興奮せずに、勃たないし、濡れなかったという事態に陥った筆者と嬢。

 もちろん、本来、やってはいけないことであり、今だからこそ話すことができる。それが“時効風俗”の世界である。
(文=子門仁)

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