快進撃を続けるテレビ東京に死角!? 放送作家からは「オアシス」という声も…


 “本流”の番組企画がなかなか集まらないのには、予算の問題のほかにどんな原因があるのだろうか。

「やはり“民放5位”というテレ東のイメージが影響している。テレ東でしかできない企画ならともかく、どんな業界人でも視聴率は獲りたい。だから通常、まずは日本テレビやテレビ朝日といった局に企画を提出します。その結果、申し訳ないのですが不採用になった企画をテレ東に出すことが多いのです」(前同)

 最後に、放送作家は「これ以上の上昇はないかもしれないが、それでもテレ東は業界人から重宝される」と話をしてくれた。

「視聴率を他局ほどうるさく言われないテレ東は、特に深夜帯など、放送作家やディレクターが好き放題やらせてもらえる解放区のような局なんです。ですから、他局でゴールデン帯の番組を構成する人気の放送作家も、精神的なバランスをとるために、テレ東の番組を1本は持ちたがる。テレ東は“放送作家の精神安定剤”のようなものなんです」

 業界内ではオアシス的役割も果たしているというテレ東。今のゲリラ的な戦略を脱して、いつか正々堂々と戦える局になるのだろうか? それとも、このまま我流を突き進むのだろうか? ネット上では、重大な事件・事故が起きても番組編成を変えないことがよく話題になるが、そういったマイペースな放送とともにテレ東の今後を楽しみに見ていきたい。
(文=今井良介)

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