『例えるならあなたは夢着るヌーディスト』 

自己発信するAV女優の「裸の言葉」vol.2 AV女優の横顔(翔田千里編)


 2005年にデビューし、熟女クイーンに輝いた翔田さんですが、実はこれまでに2回の休業をしています。最初の休養はデビューから2年後、次はさらに3年後の2010年。その際、翔田さんは2人の女優仲間と共にイベントを主催し、熟女ファンのみならずAV関係者にまで注目を浴びる存在となった経緯があります。

 そして2011年夏に2度目の復活を果たした後は、熟女メーカー・マドンナがスポンサーのラジオ番組のパーソナリティーを熟女好き芸人のロバート・秋山竜次氏と共につとめ、ずば抜けたトーク力を世にアピール。上品な顔立ちとは裏腹なざっくばらんなおしゃべりと「ぎゃははは」と大声で笑う気さくなキャラで、熟年ファンから若い男性、さらには女性ファンにまで支持されるようになりました。 
 

 それ以来、翔田さんは、積極的に自主興行イベントを行うようになったのです。その代表である『エクスタシーライブ』は、ロバート・秋山氏とタッグを組んで行っているエロとお笑いを融合させた秀逸なライブです。私は、今年の1月25日に行われた第2回ライブに初めてお邪魔させていただいたのですが、AVイベントとは明らかに異質なエンターテインメントなショーにどれだけ感銘を受けたことか。

 たとえば『佐○急便』や『厚生労働省認可 特定保健用食品』などのイメージキャラを“勝手にキャラづけ”する『企業キャラクター 性欲強そう選手権』のコーナー。ここでは、人畜無害そうなキャラを前に豊かな妄想力をフル活用し「この人は浮気するタイプに違いないから、好きになれないな!」など辛口な評価を下し、会場から大爆笑をさらっていました。さらに、変わった熟女AVのタイトルを弄り倒すコーナーや、即興でデュエットソングの歌詞を考え熱唱するコーナーなど、プログラムは様々。その全ての企画を、現役芸人と対等にこなし笑いを生み出していたのです。 
 

 下品すぎず、それでいて大衆芸能の匂いをプンプン放つそのショーを分かりやすく表現するなら『新感覚アダルトお笑いライブ』。エロもお笑いも主張しすぎずお互いが歩み寄り、それが絶妙な軽快さとなって、疲れてガチガチになった脳をゆるゆるとかき回されたような感覚になりました。どうしてこんなに愉快な気持ちになれるのか、考えようとしてもムダでした。考えれば考えるほど、バカらしくなってきて、結果、途中から撮影も忘れて手放しで大笑いしていたのですから。

 笑いすぎて涙目になりつつ、ふと客席を見渡すと、最前列には翔田さんの熱烈なファンが陣取り、その後ろには女性お笑いファン、最後列には翔田さんを慕うAV女優仲間が数多くかけつけていて、皆がそろって大爆笑する光景が飛び込んできました。私の感動メーターの針が、一気に振り切れたことはいうまでもありません。

 脱ぎも直接的なエロ話も一切ないのに、イベントが終わった時には皆、お腹いっぱいな顔で会場を後にしていきました。

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