ミステリアスな女優…情報が氾濫する時代だからこそ、そんなAV女優を探し当てたい


 僕がAV誌の編集者になった90年代も、もちろんネットは存在していなかった。逆にAV女優のミステリアスな部分に魅力を見出していたと言わせる部分も大きい。ちょうどその頃、人気AV女優として台頭し始めたのが飯島愛だった。先輩の編集者がグラビア撮影を行ったばかりの時で、「どんな子なんですか?」と聞いた覚えがある。当時は、飯島愛が雑誌の露出に厳しかったこともあり、寡黙なタイプの先輩にあまり話を聞かせてもらえなかった覚えがある。

 そんなこともあって、僕の中では余計にAV女優はミステリアスな存在になった。気軽にAV女優と話せるようになったのは、その先輩に連れられ泊まりでグラビア撮影のロケに行った時だった。場を盛り上げるために先輩にからかわれ、どうしたものか森川いづみに抱きつかれる機会があった。それから彼女と親しくしゃべれた気がする。ミステリアスなAV女優より、話して身近に感じられる女の子の良さに改めて気づかされた。

 追憶は今に戻る。僕は神波多一花のブログは見付けた。“一花咲かせたい♪”といったタイトルで「アニメや漫画好き」「来月で26歳になる」「自分でも認めるドMちゃん」「新体操やっていたのは10年も前なので体はだいぶ硬くなっちゃいました」「イッチーの愛車はピンクの軽自動車」「学生時代は新体操していました」などと彼女の素顔を知る手がかりを見出せる書き込みに出くわす。

 AV女優のプロフィールをただ雑誌やネットで紹介されるままに知るのではなく、初めてのデート、はたまたお見合いとでもいった感じで、AV女優のブログなどから、ある意味“語りながら探るように知る”ということの楽しさ。つまり、自分がAV誌の編集としてAV女優と会い、話すことでAV女優たちに惹かれていった気持ち。久々のミステリアスなAV女優・神波多一花との出会いに、僕は再びAV女優との出会いの楽しさを思い出した。アナタも、今だからこそそういう出会いをしてみてはいかがですか?
(文=浅見光彦)

浅見光彦・プロフィール
果物系と呼ばれた古式ゆかしき某AV情報誌編集者として業界に携わり、ゆえあって今やひきこもり系ライターになっちゃいました…。

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