長さ・太さ・硬度・色合い・形状・外見…神戸で「ペニス・コンテスト」が開催されていた!

※イメージ画像 photo by Wm Jas from flickr

 昭和50年(1975)11月30日、神戸市内のある某ホテルで、あるイベントが開催された。ありそうで意外に見かけない、公募によるペニスの大きさを競うコンテストであった。

 主宰していたのは地元の有線放送局。当時この局では「越智(エッチ)大学」というユーザー向けのセックス相談テレフォンサービスを行っていたが、その企画の一つとして「公開ゼミナール」と称してこの「コンテスト」が実施されたというのだ。

 募集が始まると、参加申し込みが続々と集まった。主催者によれば、一般社会人をはじめ、学生や医師、弁護士、青年実業家などさまざまで、なかには「真珠を16個入れている」とか、「42歳で全長28センチ」などと自己アピールを添えて申し込んでくる応募者もいたとか。そんなふうに、354人の応募が集まったとのこと。

 ところがコンテスト当日、交通機関のストライキが実施され、現地までたどり着けない応募者が続出。それでも100名が、やっとの思いで会場に到着した。しかし、いざ選考という段になって参加辞退などが相次ぎ、85人が脱落。その場になって、いきなり自信をなくしたのであろうか。ともかく、残った15人がコンテスト本選に出場することになった。ちなみに、そのうち2名は外国人だった。

 さて、公開ゼミナールといっても、オープンスペースで実施するわけではない。シティホテルの一室で、決められた測定方法にのっとって審査員が判定を下すというものだった。審査員には、「越智大学」総長こと相談員の細川薫氏(元大学教授)、同事務局長、さらに、やはり相談員でセックス評論家として『体験的SEX論』などの著書があり、また成人映画にも出演したことがある窪園千枝子氏らが並んだ。

 そして審査方法は、まず「勃起した状態での全長」を競う。測定に使用されたのは、女性をかたどったマネキン人形。その下腹部にはトンネル状の穴がくりぬかれて、中に長さを図るためのゲージが設置されている。参加者は控え室に用意されたヌード写真集などを使って十分に勃起させてから、ステージ上に設置された人形の穴に挿入する。そして、最も奥に到達すると人形の乳首に取り付けてあるランプが点灯し、その時点で長さを測定して判定するというものだった。

 そのほか、「太さ」「硬度」「色合い」「形状・外見」なども考慮され、総合的に『大きく立派なペニス』が審査された。

 実際の審査では、参加者はステージに上がり、まず人形によって長さを測り、その他外見などを審査員が審査する。会場には、場を盛り上げるために主催者が許可した成人女性の観客が審査の様子を見守った。もちろん、実際の審査になるとステージはスクリーンで覆われ、参加者が測定する様子などはシルエットでしか見えない。それでも、人形のランプが点灯したりすると、観客席から声援が上がったという。

※画像:「週刊プレイボーイ」昭和50年12月9日号より

 しかし、さすがに直には見えないといっても、ステージで下半身を露出することに緊張する参加者もいたようで、ポルノテープを聞いてもドリンク剤を飲んでも調子よく勃起せず、ついには窪園千枝子氏が手で刺激してようやく測定可能な状態になったケースもあったらしい。

 そして審査の結果、37歳の独身男性が第1位となり、賞金10万円と副賞のスキン10年分(1日1個の計算で3650個)を手にした。第2位は28歳のアメリカ人留学生、第3位は40歳の妻帯者だった。受賞に関する詳しい資料が残されていないため、各受賞者のペニスのデータについては不明。ただ、第1位の男性は、「ペニスがあまりに大きいため、セックスでは挿入できずにあきらめることが多い」というのを悩んでいたというから、大きければいいというものでもなかろう。
(文=橋本玉泉)

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