Berryz工房は“飼い殺し”状態!? 「活動期間10年の節目での解散」を危惧する声

berryz0417main.jpg※イメージ画像:『アジアンセレブレイション』
ピッコロタウン

 活動開始から9周年を迎えるとともに、9枚目のアルバム『Berryzマンション9階』(PICCOLO TOWN)をリリース。さらに31枚目となるシングル『アジアン セレブレイション』(同)が現在発売中のBerryz工房(※以下Berryz)。

 活動年数で割ると、年に3枚ペースでシングル、1枚ペースでアルバムをリリースしており、次々に新曲を打ち出してくるアイドルグループシーンにあって、9年もこの体制を維持していることはまずまず順調といえる。しかし、ハロー!プロジェクトの中でのポジションはあくまでも「モーニング娘。の妹分」、やはり旗艦・モーニング娘。(※以下モー娘。)には及ばない存在だ。

 Berryzといえば、“ももち”こと嗣永桃子が「自分推し」キャラで多くのバラエティ番組に出演し、アイドルファン以外にも知名度を高めた。だがももちの活躍もBerryz全体の人気急上昇にはつながらず、むしろキャラ的に類似する道重さゆみとバラエティで共演することの方が多くなってしまった。

 そんな中、Berryzのファンからはアップフロントプロモーション(所属事務所)に対して「もっとベリ工(Berryz工房の略)に力を入れてくれ」「モー娘。ばかり推さないで」「飼い殺しにするな」などの声が上がっている。新曲のCMの打ち方や各メディアへの出演頻度などを見ると、ファンからすればモー娘。に偏重しているように見えるようだ。

「アップフロントとしては、まずは48グループやももクロなどのハロプロ以外のアイドルグループと闘って行かねばならない。そうなると、ネームバリューを維持して最もブランド価値の高いモー娘。に力を集中させるしかないんでしょう」(アイドルライター・K氏)

 という事情はうなずける。さらにBerryzの中では推されている嗣永桃子も、「確かに感じてたんです。事務所全体がモーニング娘。推しみたいな。Berryz工房として感じてたんです」(『ピースのイライラ救助隊 出動!ストレスキュー』東海テレビ/2013年1月27日放送)と発言しており、グループメンバーの中にもそういう空気があることが発覚した。

 思えばBerryzメンバーは、結成以前の2002年に【ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション】に合格して芸能活動を開始。これに対して現在モー娘。の最年長でリーダーの道重さゆみも、同じく02年に行なわれた【LOVEオーディション2002】に合格して芸能活動を開始…と、芸歴はほぼ同じ。“なぜモー娘。ばかり!”という気持ちが芽生えるのも不思議ではない。全員が10年選手なのだ。

 後に連なる℃-ute、スマイレージに加え、研究生ユニット・Juice=Juiceも登場、モー娘。本体もこの数年9、10、11期と三連続で新メンバーオーディションを開催してきたにもかかわらず、さらなる追加メンバーを募集する12期オーディションを開始、いっそうの若返りを図る様相だ。℃-uteはアイドルブームに乗って新規ファンも増え、今年ついに日本武道館での単独ライブが決定した。

 ますますハロプロ内で頭角を現すことすら困難を極める状況で「Berryzはこのまま解散となってしまうのでは」と危惧するファンもいるほどだ。“飼い殺し”ともいえる不吉な予感に追い討ちをかけるのは前出のライターK氏。

「活動期間10年を節目に解散を決めたハロプロの4人組ユニットにメロン記念日がいます。彼女らは1999年に行なわれた【第2回モーニング娘。&平家みちよ妹分オーディション】の合格者で結成されたグループ。よく似た立場にいることは間違いない」

 Berryzが結成10年目にあることを考えると、メロン記念日と似た運命を辿るのか、とも考えられ、ますますファンの心配は尽きない。しかもほぼメンバー変動無しで活動をともにして来たBerryzの7人が醸す雰囲気は悪く言えば「フレッシュさがない」、良く言えば「妙な迫力がある」らしく、

「貫禄がある。全員で居られるとドキッとする」(モー娘。/道重さゆみ)。
「今は恐くない(→でも昔は恐かった)」(モー娘。/飯窪春菜)。
「デビューした時に、Berryz工房さんは特に恐かった。中でも(清水佐紀、夏焼雅、菅谷梨沙子の)3人…」(スマイレージ/和田彩花)

 …との意見が飛び出している。彼女たちはハロプロの裏番的存在となっているのかもしれない。いわば“お局”扱いということだ。だが同時に、10年間という活動期間で培った実力は確かなもの。それはBerryzのバラエティに富んだシングル曲の数々を歌いこなす力量を見ても明らかである。

 アイドルとは「伸びしろ(成長過程)を愉しむもの」あるいは「ほころび(ちょっとした欠点)をめでるもの」などさまざまな見方がある。特に素人の寄せ集めがプロになったいく裏側の過程にテレビ番組が密着したモー娘。や、バックステージを映画化しているAKB48などは上記のような楽しみ方をしているファンが多く、これが現在のメインストリームであることには間違いない。

 だが、10年選手とはいえ、Berryzメンバーはまだ10代後半~20代前半だ。新人歌手でもおかしくないその年齢で、経験を積みステージパフォーマンスの実力を備えたBerryzが、「アーティスト路線」に転向せずにアイドルシーンの一角で活動を続けるというのも、業界の多様性を示しておりまた面白い。小学生の頃から現在に至るまで、長くその成長過程を見せてくれてきたBerryz工房が、これからさらに“成熟したアイドル”として活躍してくれることを願ってやまない。
(文=ルート666)

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