スタッフ暴行・痴漢・落書き…「ももクロ」ファンのマナー悪化に批判殺到

 5人組の人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が、13日と14日に埼玉・西武ドームでライブ『ももいろクローバーZ 春の一大事 2013 西武ドーム大会 ~星を継ぐもも Peach for the Stars~』を開催した。2日間合計で約6万人という驚異的な動員数を記録し、全国の映画館で行われたパブリックビューイングにも計3万人が来場。5月に開催されるオジー・オズボーン主催の音楽フェス『OZZFEST JAPAN 2013』へ出演が発表されるなどサプライズ演出もあり、ももクロの現在の勢いがそのまま反映された素晴らしいライブとなったようだ。

 だが、その勢いに水を差すような話が持ち上がっている。大成功したライブの裏側で、ももクロファン(通称モノノフ)による“スタッフ暴行事件”が起きたというのだ。事件を目撃したというファンが14日にネット上で報告しており「規制退場にブチキレた人が係員の髪の毛引っ張って、顔にパンチ入れて強引に帰っていったよ…」などと書き込んでいる。

 3万人以上の観客が会場から出るためには相当な時間が掛かるうえに、この日のライブは4時間以上の長丁場で終了が夜10時近くなり、終電の時間を気にしていたファンも多かった。ももクロのファンは子どもも多いため、運営側としては混雑を緩和するために客席ブロックごとに退場させるという規制措置をとったのだろう。だが、規制にイラ立っていたファンも多かったのは事実であり、ガマンできずにスタッフに暴行を働いて強引に退場したヤカラが出現してしまったようだ。

 また、女性ファンが痴漢被害に遭ったという報告も上がっている。14日のライブに参加したある女性ファンが「会場出たあたりからずっとオジサンがついてきて痴漢された。混乱してやめてくださいって言えなかった私も私だけど気持ち悪かったよ。モノノフさんではないと思うけど、せっかく楽しいライブなのに人混みに乗じてわざわざそういうことしに来ないでほしい」などと書き込んでおり、会場周辺でお尻を触られるなどの被害に遭ったという。痴漢がモノノフだったのかは分からないが、ももクロは女性ファンが多いことで知られているだけに、このような被害が続けば女性が安心してライブに参加できなくなってしまうだろう。

 モノノフのマナー問題は以前から指摘されており、先月にはオフ会に参加したファン十数人が渋谷駅前で大騒ぎし、ネット上で非難が殺到する騒動もあった。幹事を務めた男性は「ももクロの顔に泥を塗る行為だった」と謝罪したが、それで騒動は終わらず、この幹事のTwitterに全裸の男性二人が無縁仏の供養塔に股間をこすりつけている画像があったことも発覚。幹事の男性は、全裸の男性は音楽活動をしている知人でオフ会に参加したわけでもないと釈明したが、この一連の騒動はモノノフのイメージ低下に更なる拍車を掛けた。

 さらに、大阪の河川敷の堤防に「れに かなこ しおり」と大きく落書きされている画像がネット上にアップされ、これも物議をかもした。「れに かなこ しおり」とは、メンバーの高城れに(19)、百田夏菜子(18)、玉井詩織(17)の名前であり、落書きはモノノフの仕業であると見られている。落書きはマナー問題うんぬん以前に犯罪であり、決して許されることではない。この件を知ったファンが有志を募って落書きを消しており、ファンによる自浄作用があることも証明されたが、モノノフのイメージ低下は免れないところだ。

 モノノフのマナーの悪さが浮き彫りになったのは、昨年7月に神戸で開催されたライブでの“痴漢事件”がきっかけといえる。会場を盛り上げるために客席通路に降りたメンバーの玉井詩織がファンによって揉みくちゃにされ、曲が終わるまでステージに戻れないという事態が起きた。この時に「しおりん(玉井)がファンに胸を揉まれまくっていた」「痴漢した奴らは『触らな損やで』と言っていた」などという許しがたい行為があったらしく、目撃情報が多数報告されたのだ。「痴漢はなかった」という意見もあったが、この事件の直後から運営側はライブでメンバーが客席に降りた際にファンを強制的に着席させるという緊急ルールを導入しており、メンバーの身に何かしらの危険があったのは間違いないようである。

 マナー問題はメンバーの耳にも入っているようだ。14日のライブ終盤、メンバーの佐々木彩夏(16)が「ファンが褒められるのは自分たちが褒められるのと同じ。『モノノフのマナーがいい』と言われると私たちも嬉しい。ファンの皆さんは私たちのスターです。どうかずっと私たちのスターでいてください」と発言した。これは裏を返せば「モノノフのマナーが悪いと、ももクロの評判も落ちる」という注意喚起ともいえるだろう。晴れの舞台である大会場のライブでマナー問題に触れなくてはならないほど、危機感を抱いているといえるのかもしれない。

 人気がメジャーになるにつれてファンのマナー問題が噴出するのは、どんなアイドルやアーティストでも避けられない道だ。だが、ももクロは下積み時代からファンとの絆を大事にしてきただけに、運営側もファンを信頼して自主性に任せてきた部分がある。この大切な信頼関係にヒビを入れないためにも、モノノフたちのマナー向上に期待したいところである。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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