フジテレビが『SMAP×SMAP』『めちゃイケ』の高視聴率を素直に喜べないワケ

※イメージ画像:フジテレビ系『女信長』
公式サイトより

 低視聴率続きで“振り向けばテレビ東京”と揶揄されているフジテレビから、久々に明るい話題が聞こえてきた。

 ナインティナインの矢部浩之(41)と元TBSアナウンサーの青木裕子(30)の披露宴を生中継した6日放送の『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)の平均視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ=以下同)が20.8%(午後7時~同8時54分)をマーク。さらに、8日に放送された『SMAP×SMAP SMAPはじめての5人旅スペシャル』も平均20.0%という高視聴率を記録。特に「スマスマ」はネット上の反応も好評であり、SMAP5人だけの食事のシーンでは最高の24.3%をマークし、フジの底力を見せつけた格好だ。

 これでフジも勢いづいているかと思いきや、意外にも局内はお通夜ムードだという。その原因は鳴り物入りでスタートした午後の情報番組『アゲるテレビ』の大爆死と、社運をかけた大型時代劇『女信長』の壮絶な討ち死にだ。

 打ち切りになった『知りたがり!』の後番組として路線を大幅に変更した『アゲるテレビ』は、白血病から復帰した大塚範一キャスター(64)と元日テレのフリーアナ・西尾由佳理(35)をメインMCに据え、視聴率巻き返しとライバル『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)の打倒が命題として突きつけられていた。ところが、大塚キャスターは番組スタート前に病気が再発し、出演を当面キャンセル。後を任されたのは西尾アナだが、顔合わせの際に彼女と大塚キャスターが衝突したとの報道も飛び出した。これが災いしたのか、フタを開けてみると初回から2.1%と深夜番組並みの数字に。さらに3回目の放送の第1部では、1.9%という信じられないような低視聴率を記録してしまった。

 一方の『女信長』は、織田信長が女性だったという破天荒なストーリーを数億円の予算をかけて映像化し、信長役の天海祐希(45)をはじめ内野聖陽(44)、小雪(36)、西田敏行(65)ら映画並みの豪華な俳優陣が出演。5日と6日のゴールデンタイムで二夜連続放送という、絶対に失敗が許されないプロジェクトだった。だが、平均視聴率は5日が8.9%、6日は8.7%という惨憺たる数字。特に6日は、直前に前述の『めちゃイケ』が放送され高視聴率だったため、チャンネルそのままで『女信長』も視聴率が高くなると期待されていた。だが結局、同時間帯で日テレやTBS、テレビ朝日に敗北し、テレ東の『出没!アド街ック天国』の8.3%にかろうじて勝っただけという結果である。

 期待する番組が軒並み低視聴率では、局関係者が『めちゃイケ』『スマスマ』の高視聴率を素直に喜べないのもうなずける。だが、局内が暗いムードなのは高視聴率を記録したこれらの番組にも関係しているという。

「『めちゃイケ』も『スマスマ』も、かつては高視聴率を連発していましたが、近年は長らく低迷しており局内で打ち切りが検討されていました。しかし、『めちゃイケ』は吉本興業が打ち切りに反対し、『スマスマ』はジャニーズ事務所が終了に難色を示し、切るに切れない状態が続いていた。その二つの番組がスペシャルで高視聴率を記録してしまったのですから、局内は微妙な空気になっている。事務所側に番組存続の材料を与えてしまったようなものですから、これでしばらくは切ることができなくなった」(テレビ局関係者)

 社運をかけた番組が相次いで爆死し、さっさと打ち切りにしたいと思っていた番組が高視聴率をマークしてしまうとは…。どうやら今のフジは、何をしても裏目に出てしまうようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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