森三中・大島がインパルス・堤下にブチ切れたワケ 黒沢への熱い思い

※イメージ画像:『ブスの瞳に恋してる』マガジンハウス

 1日に放送された『今年も生だよ!4時間笑いっぱなし伝説 100周年・最も売れる吉本No.1芸人は誰だ!?』(テレビ東京系)で、森三中の大島美幸が、生放送中にインパルスの堤下敦を名指しで批判し、話題になっている。大島が堤下に罵声を浴びせたのは、同番組の企画「よしもと同期芸人ぶっちゃけトーク合戦」の中。椿鬼奴が堤下と仲がいいと発言した後、コーナーMCの千原ジュニアが同じく同期である大島に話を振ると、「マジでやってやろうと思います!」「マジで大っ嫌い!」と突然立ち上がり、ブチ切れたのだった。

 「あいつは女の腐ったような最悪な奴」「クソや、マジでクソ野郎」と声を荒らげた大島は、同時刻に他局に出演中だった堤下を「番組が終わるまでに来いや!」と呼びつける始末。どうしてそんなに怒っているのかとジュニアが聞けば、大島は、堤下が森三中の黒沢かずこに対して陰湿ないじめを行っているからだと暴露。黒沢の後ろで「お前、面白くねえんだよ」と呟いたり、テレビカメラから黒沢がわざと見えなくなるように堤下がさえぎる嫌がらせなどをしているという。堤下への怒りをエスカレートさせた大島は、森三中として続くコーナーにも出るはずだっただろうが(村上知子、黒沢のみ出演)、なぜか1人だけ顔を出すことはなかった。

 そんな大島の発言にネットユーザーたちは、「芸人のすることだから鵜呑みにする必要はない」や「どうせネタだろう」という反応を見せながら、「堤下最悪」「森三中の方が面白い」「大島はいいやつ」と全体的には大島を擁護するコメントを寄せる。

 確かに、大島の堤下への発言は、これまでにもたびたびバラエティ番組で見られた光景だし、その意味ではネタとも言える。しかし大島は自らが学生時代にいじめられていたことを告白しているように、陰湿ないじめには、強い反発があるに違いない。ジュニアすらもたじろぐほどの彼女の強い反応は、ネタというより、相方を思う心の叫びに聞こえた。

 終始うつむき加減で、引っ込み思案。シャイで無口で、リアクションもできない森三中の黒沢かずこ。レギュラーを務め、森三中の人気を不動のものとした『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)では、村上、大島の2人が体を張ったリアクションをしているにもかかわらず、黒沢はそんな彼女たちを心配そうに見つめているだけ。トーク番組にゲスト出演しても、流暢にしゃべることはなく、得意な芸といえば、声量のある歌声を生かしたデタラメソングや、絶妙に腰を動かすダンスといったものばかり。極度のあがり症で、子どものころからの“お笑いオタク”な黒沢は、先輩芸人を前にすると何も手につかなくなってしまう。確かに達者な芸人とはいえず、森三中のお荷物のようにも見える黒沢。その本質を見抜いてか、インパルスの堤下は黒沢に対して過剰な態度をとってしまうのかもしれない。

 昨年末に放送された『超人気芸人大集合!! ガチで大ゲンカ祭2012』(TBS系)で、大島は体を張らない黒沢への不満を語りながらも、最後には「黒沢さんは森三中の頭脳です」と言い、ネタのほとんどを黒沢が作っているということに感謝した。また、彼女たちのお家芸でもある「ケンカ→相撲→尻出し」という流れのすべてのタイミングを黒沢が計り、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)に出演した際、浜田雅功にオッパイを揉まれるように仕向け、過激な態度をとるようにしたのも黒沢だと語ったこともある。

 確かに今テレビに映っている森三中の黒沢は一見何もしていないかもしれない。しかし、それでも森三中にとっては欠かせない存在だと他のメンバーは言う。それは彼女の笑いのセンスがずば抜けているからだ。彼女の存在なくして今の森三中はないと他のメンバーは思っている。だから大島は堤下の行為が許せなかったに違いない。あの激高は相方への愛と感謝の証なのだ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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