セックス経験有で交際経験ゼロの人々の言い分とは?

※イメージ画像:『男と女…―セックスをめぐる五つの心理』
著:亀山早苗/中央公論新社

 飲み会やコンパにおいて、何かと話題に挙がるのが、「今まで付き合った人数」である。とはいえ、話題としては盛り上がるが、男性側も女性側も本当の人数を言わないため、聞いたところでなんの参考にもならいないのが現状である。

 なぜ、本当の人数を隠したがるのだろうか? まずは、「多すぎるので隠したい」という人の言い分について。こちらに関しては、「何事も長続きしない人間」という烙印を押されてしまうことに対する懸念を挙げる人がほとんどだった。そういえば転職の際も、あまりにも転職回数が多いと、採用担当者に良くない印象を与えてしまうような気がするが、それと同じなのかもしれない。

 逆に、「少なすぎて隠したい」という人の言い分も紹介しよう。「一人や二人だと、野暮ったく見られるのではないか」と不安視してしまうとのこと。交際経験が少ない=野暮ったいということは決してないとは思うのだが、本人にしてみれば、「モテないヤツ」と思われそうでコンプレックスがあるとのこと。

 だが最近は、一人二人どころか、交際経験が全く無いという人も珍しくない時代である。確かに、若者の草食化が何かと話題になる昨今、好きな異性が出来ても告白しないというスタンスが主流になりつつあるのかもしれない。ということは、交際経験ゼロ=セックス経験もゼロかと思いきや、そっちのほうはしっかりと経験済という人のなんと多いことか。むしろ、交際経験有の人よりも、はるかに多いセックス経験を積んでいて驚かされることもある。なぜ彼らは、セックスはするのに、男女交際はしないのだろうか? 

 セックス経験有で交際経験ゼロの人々に詳しく話を聞いたところ、案の定2タイプに分かれるようだ。まずは、「男女交際が面倒くさい」という意見。現代人の典型的なタイプである。しかも、男女交際というよりも、人付き合いそのものが面倒だというのだ。とはいえ、生きていくためには仕事をしなければならないし、そのためにはコミュニケーション力も必要になってくる。よって、日常生活において、義務としてこなさなければならない人付き合いで手いっぱいのため、男女交際など考えられないとのこと。

 もちろん、人付き合い自体が面倒だという人ばかりではない。友人らとの付き合いは大事にしているが、男女交際が面倒という人もいた。デートしたり、クリスマスや誕生日に贈り物をしたりするよりも、一人でも行きたいところに行き、食べたいものを食べるというスタンスのほうがラクなのだという。少し前には、「ランチメイト症候群」という、一人でランチを食べられない若者が話題になったが、最近では、なんでも一人で済ませてしまう「自己完結男子(女子)」のほうが増えつつあるのかもしれない。

 また、「面倒というか、金がかかる」という理由で男女交際を避けている人もいた。これには、長引く不況の影響で、自分一人の生活を維持するのがやっとというワーキングプアの問題が関与しているのだろう。おごらないワリカンデートだったとしても、やはりそれなりには金がかかるものである。

 面倒だの金銭的問題だのを差し引いても、男女交際には「セックス」という最大のオマケがついてくるではないか、という部分に関しては、「付き合うだけならセックスフレンドで充分」との、ドライな答えが返ってきた。セックスフレンドを作る甲斐性がない者は、風俗店で済ませるほうが気楽とのこと。

 いやはや、現代人の男女交際離れはここまで深刻化しているのか、と思いきや、「付き合いたいという意志はあるのだが、何故か縁がない」という、セックス経験有で交際経験ゼロの人もいる。このタイプは、付き合おうという意志は強いため、「もしかするとカラダから始まる男女交際もあるのでは?」と、積極的に体を重ね続けているうちに、いつの間にか経験人数だけが増えてしまったというパターンだ。こちらに関しては、世間的に「セックスから始まる恋愛=悪」とする傾向があまりにも強いため、交際成立が困難になっているのかもしれない。既成概念に捉われていない相手を見つけられるとうまくいくのだろうが、こればっかりは縁がもたらすものなので、そう簡単にはいかないだろう。

 理由は何であれ、セックス経験有で交際経験ゼロということは、決して恥ずべきことではない。ただ、その現状に自分自身で疑問が生じてきたのなら、今までとは別の恋愛スタイルにチャレンジすべきだろう。
(文=菊池 美佳子)

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