目指すはラッシャー!? 多くの芸人が憧れる「日曜朝」の秘密

※イメージ画像:テレビ朝日系『朝日放送 | 朝だ!生です旅サラダ』オフィシャルサイトより

 続々と新しい番組の始まるこの時期。話題のドラマがスタートすれば即日視聴率がネットニュースに流れて人々の関心を集めている。そんな中、各局共にほとんど変化を見せなかったのが、週末の朝という時間帯。もちろん5分番組やアニメや老人向けの30分番組などに新しい顔ぶれが並ぶものの、主だったバラエティ番組はいずれも継続。浮き沈みの激しいテレビ業界にあって、週末の朝には長寿番組が顔を揃える。

 たとえば、日本テレビ系で日曜の朝に放送されている『誰だって波乱爆笑』は2008年に開始し、フジテレビ系では同じ年から土曜朝に『にじいろジーン』がスタートしている。いずれも今春で番組開始から5年目に突入する人気番組だ。さらに長寿の番組といえば、1996年から番組を放送しているTBS系の『王様のブランチ』や、1993年開始のテレビ朝日系『朝だ!生です旅サラダ』がある。そして、そんな人気番組に熱い視線を送っているのが、ほかならぬテレビタレントたちだ。

 テレビを活躍の場とするタレントにとって、長寿番組との出会いは誰もが願うもの。そんな彼らが、目標としているのが、週末の朝に放送されている番組への出演。しかも、人気低迷や不祥事によって行われるリニューアル時に交代の可能性のあるメインMCより、サブ的な役割でのレギュラー出演を願って止まないという。

 テレビ業界では、番組が変わっても、そのスタッフに変化はないということは往々にしてよくあることだ。たとえ番組へのテコ入れがなされたとしても、スタッフからの信頼が厚ければ、誰がやっても同じというような1コーナー枠への出演は営業しだいで死守できる可能性が高い。もちろん、MCとの信頼関係が番組スタッフよりも厚く、MCが交代するなら自分も一緒に降板するというタレントもいるだろうが、そんな仁義に厚いタレントなら、そもそも1コーナーのレギュラーにしがみつく程度のタレントではないだろう。

 ともかく、週末の朝の番組は、ゴールデンや深夜帯に比べて、息の長い可能性が高い。そんな番組への出演は多くのタレントにとって憧れの舞台といえる。そして、現在そんな憧れの舞台に立っている代表格がたけし軍団のラッシャー板前だ。

 ラッシャーが出演しているのは『朝だ!生です旅サラダ』。彼は、同番組内で中継コーナーを担当。1997年のコーナー開始から15年もの間、日本全国に飛び回り旬の食材を紹介している。そんなラッシャーについて、同じたけし軍団に所属しているガダルカナル・タカは「軍団で殿の次に稼いでいるのはラッシャー」と明言している。その理由について、番組名は明かさなかったが、「週1で全国を飛び回っているから」と言っていた。『旅サラダ』なのは間違いない。

 ラッシャーのギャラがどの程度のものかはっきりはしないが、タレントによる中継コーナーの相場は数十万円といったところ。もちろんそのタレントの格や制作局によって金額は大きく異なるが、ラッシャークラスなら20~30万円といったところだろう。その半分がギャラとなるにしても、週に4回の出演で月収40~60万円。週に1回のテレビ出演でこの金額。しかも毎週旅行に行っているようなもの。多いか少ないかの判断は分かれると思うが、好きでやっているなら十分な金額といえるのではないか。

 売れっ子芸人たちにとって、ゴールデンタイムのバラエティとは憧れの舞台に違いない。しかし、彼らがいつまでも売れ続けるのは難しい。それこそ、大御所と呼ばれるような人々しか、それは成しえないものだ。そんな業界で活躍し続けることを願っている芸人たちが目指す先は、長寿傾向の強い週末の朝という舞台になるだろう。現在、『にじいろジーン』で1コーナーを担当しているガレッジセールなど、まさにその夢舞台を掴んだ元売れっ子芸人だ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

『「おそ朝&おそ昼」番組10周年・そしてこれから』

 
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