オトコもオンナも苦手な後戯”腕枕”は廃止すべきなのか?

udemakura1011.jpg※イメージ画像 photo by Nikki Loux from flickr

 10月に入り、いよいよ本格的な秋シーズンの到来である。これからの季節は、なんといっても鍋料理! ひと昔前は、寄せ鍋もしくは水炊きくらいしかバリエーションが無かったが、最近は豆乳鍋やトマト鍋など、さまざまな新テイスト鍋が登場し、食卓を賑わせている。さて、どの種類の鍋料理でも、最後は、雑炊なりうどんなり、なんらかの炭水化物で「締める」という人がほとんどだろう。この「締め」は、実はセックスにも存在する。といっても、女性器の膣圧のことではない。ここでは、後戯に注目してみたいと思う。

 後戯の内容に関しては、人それぞれ個人差があるだろうが、おそらくほとんどの男女が実践しているであろう後戯の1つに「腕枕」が挙げられると思う。男性の腕に、女性が頭を乗せるという状態だ。

 男性が、セックスで消費する運動量はかなりのものである。射精後、疲れた体にムチ打って後戯に臨み、その最終ノルマとして自らの腕を枕として差し出すわけだが、今度は腕に対してピンポイントで「血流を圧迫され、痺れる」という試練が与えられる。いくら女性といえども、人間の頭の重みはかなりのもの。しかし、義務感からか、安眠している女性を尻目に黙々と耐えた結果、翌朝起きてみると、腕が麻痺したような状態になっていたという経験を持つ男性も少なくない。こういった、腕枕が原因の筋肉痛や腕のしびれを、サタデーナイト症候群・ハネムーン症候群などというようだ。

 「女性が眠った後、そっと外せば良いではないか」と思う人もいるかもしれないが、そう簡単にもいかない。頭の下から腕を抜く際、相手を起こしてしまったら……と考えると、うかうか解除することも出来ないのだ。そういった事情で、セックス後は熟睡できないという悩みを抱えている男性も多いことだろう。

 ところが、悩んでいるのは男性側だけかと思いきや、女性側からも「腕枕」に対する反対意見が挙がっている。まず、男性の腕を心配する声。「カレは痛くないと言ってくれているが、本当だろうか?」「私の頭は重くないだろうか?」などの乙女心から、極力重みがかからないように頭を浮かせているとのこと。これでは、女性側も熟睡できないだろう。

 熟睡できないといえば、「首が痛い」「肩がこる」「寝返りしにくい」などの理由から、腕枕が苦手だという女性も多数存在する。しかし、腕枕をはずそうとしたところ、男性に寂しそうな表情をされたため、まずは寝たふりをし、頃合いを見計らって寝返りをうつという小芝居をしているのだそう。これにて脱出成功となれば良いが、再度抱き寄せられ、元の位置に戻されるというパターンもあるようだ。ということは、腕枕賛成派の男性も存在するということなのか? 

 腕枕賛成派の男性が言うには、「腕が痛い・痺れるなどと感じたことはない」とのこと。こればっかりは、腕の太さや筋肉にもよるだろう。また、痛かったり痺れたりしたとしても、甘えられていることに意義を感じるという男性もいた。なお、腕枕賛成派には女性も存在する。腕枕をされているというシチュエーションに萌えるとのことで、セックス後は必ずしてもらいたいのだそう。しかし、よくよく話を聞いてみると、「肉体的には疲れるが、精神的に嬉しい」とのこと。やはり、腕枕という体勢には無理があるようだ。

 このように、ほとんどの男女の安眠を害する「腕枕」であるが、打開策はある。腕に頭を乗せるのではなく、女性の首の下に腕を置くというスタイルだ。これなら、腕に重みがかかることもないし、寝返りを打ちたい時も簡単に手が抜ける。さらには、女性の頭上に腕を置き、女性にはその下で寝てもらうという方法。これなら、シチュエーションを演出しつつ、腕には何も乗っていない状態なので、だいぶ気がラクだ。その他、敢えて女性には背を向けてもらい、後ろからくっついて安心感を与えるという裏技もある。

 いずれにせよ、お互い眠りにつけば、寝相などによって自然と分離されるであろう。とはいえ、最初から腕枕しないというわけにもいかない、妙な責務を感じさせる行為であることは確か。腕枕の有無について気軽に話し合える関係性を築くか、もしくは「腕枕なんて必要ない!」と思わせるほどのテクニックを、挿入中にて発揮するか、手腕が問われるところである。
(文=菊池 美佳子)

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