風習も変化するもので......

「仲人が新妻を抱く」……今じゃ考えられない女性蔑視の風習

※イメージ画像 photo by MsAnthea from flickr

 昔の風習には女性を蔑視したものも少なくない。その中でも特に理不尽極まりないのが、花嫁の身体を新郎より先に抱くことができる「初夜権」なる風習である。

 山形県では、結婚式の3日前に仲人が新婦を家に泊め、3夜を一緒に寝る。そして式の当日、108個の餅と一緒にその新婦を新郎の家へ届けるという慣わしがあった。

 また、和歌山県には13~14歳になった娘の親が、老人に頼んで処女で失くしてもらうという、今だったら淫行即逮捕級の驚くべき風習があった。老人は少女のヴァージンを奪える上に、お礼として米と酒、そしてなぜかピンクのふんどしがもらえた。ロリコンお爺ちゃんには、たまらないイベントだったことだろう。


 他の地域でもこれと似たような風習は存在していたというが、なぜ、このような風習が存在していたのか? 

 昔は処女の血は不吉だと信じられており、精液が処女の血と混じってできた子どもは早死すると信じられていた。今のように恋愛が自由ではなく、新婦のほとんどが処女だった時代、彼女たちはより力のある者に処女の血を流し出してもらおうとしていたのだ。

 しかし、冷静に考えれば、いくら昔だからといえ、まったくもっておかしな風習だ。そのため、これらの風習はいつの間にかなくなってしまっている。

 こういった風習は日本だけでなく、海外にも存在していた。例えば、ある国では税を納められない家の娘は、その領主に初夜権があるという封権的な蔑視風習があった。

 とはいえ、こういった風習は必ずしも女性を蔑視するためだけにあるわけではない。「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉は「憎らしい嫁には、美味しい茄子を食わせるのはもったいない」という意味だが、「秋茄子は身体を冷やすから、大事な嫁には食べさせるな」という意味も含まれている。また、漁師の風習で「生理中の女性が浜に出ると、海が穢れて魚が捕れなくなる」というものがあったが、これも「浜に出てくると身体が冷えて、負担がかかる」という母性保護につながっているのだ。

 もっとも、今こんな発言や行動をすれば、即セクハラ扱いでしょうけどね……

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