永野からインスパイアされて『TORA TORA TORA』によろめく春の日|架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき#13」

昭和大好きセクシー女優・架乃ゆら連載コラム第13弾

 昭和大好きセクシー女優の架乃ゆらちゃんが毎回、昭和歌謡を通し、鋭くもクスッと笑える独自の視点で世界を眺める「美徳のゆらめき」が今月も公開されました!

 今月はお笑い芸人の永野さんのネタを通し、90年代に一世を風靡したMAXの『TORA TORA TORA』を語り、最後は女性論まで行きついたゆらちゃん。

 今回も読みごたえのある文章で魅了してくれます。

 それでは今回も深海40メートルを息継ぎなしで遠泳する「架乃ゆら文体」をお楽しみください!

架乃ゆら昭和コラム「美徳のゆらめき#13」

今回はミニスカポリスコスで登場の架乃ゆらちゃん

 メンズサイゾーをご覧のみなさんこんにちは! S1専属の架乃ゆらです。

 季節の変わり目の今日この頃、みなさんお元気にお過ごしでしょうか。かく言う私も寒暖差やら低気圧やらでしばらく気持ち的にダウンしていて、ちょっとずつ調子を取り戻してきたあたりです。

 さて、そんな気分が落ちがちな日々ですが、最近突如としてハマったものがあります。それはMAX!

 本当に突如としてハマったので脈絡がないのですが、経緯としては先日友達のおうちでTVerを観ながらダラダラしていたところ、『水曜日のダウンタウン』が配信されていたので何気なしに再生してみました。

 『水曜日のダウンタウン』といえば、かなり攻めたドッキリ企画や平成初期のバラエティ番組を思わせるチャレンジ企画などのイメージがあったのですが、この週に配信されていた回はショートネタグランプリという短い時間でのネタをいろんな芸人さんが披露し、どのコンビが一番面白かったかを決めるというたいへん真面目なネタ番組でした。

 「いつもの水曜と違うぞ」とわくわく観ていると、あの永野さんが登場します。

 永野さんといえば真水色のシャツに真っ赤なズボンを穿いた鮮烈なビジュアルから繰り出される無秩序かつ不条理なネタが印象的ですが、実は少し前まで永野さんのネタは少し苦手でした。

 面白いんだけど爆笑というよりかは苦笑に近いようなバランスで、たぶん今まで見てきたネタがわたしの好みではなかっただけなのですが、なんとなくそういう意識がありました。

 またまた少し前の話ですが、『お笑い実力刃』というサンドウィッチマンさんとアンタッチャブルさんが司会を務めているお笑い番組があり、たまたま観た回が「グレープカンパニースペシャル」でした。

 グレープカンパニーはお笑い事務所で、司会のサンドウィッチマンさんが旗上げした今やR-1王者やM-1ファイナリストなどを多数排出しているすごい事務所なのですが、番組内でいろんな芸人さんが永野さんのことを口々に称賛していて、そこから永野さんを見る目が変わったという前日譚があります。

 さて、そんなタイミングでの永野さんのネタですが、タイトルが『性病の検査を受けていない女が向こうから歩いてくるところ』でもうすでに爆笑。

 ニコニコご機嫌の女性が向こうのほうからMAXの『TORA TORA TORA』にノリながら歩いてくるのですが、性病の検査を受けていないため股がかゆくて、たまにかきながらノリノリでこちらに向かってくるというネタでした。

 曲が『TORA TORA TORA』だと分かった時点でもう面白かったし、『性病の検査を受けていない女』という不躾極まりない表現もめちゃくちゃに面白く、一緒に観ていた友達とゲラゲラ笑い転げていました。

 スタジオでネタを見ていた数名の芸人さんも「これはひどい」「MAX気分悪いでこれは」「面白いけどこれを選ぶのは違う」など散々な評価で結局グランプリは別の芸人さんだったのですが、司会の松本人志さんは永野のネタをエキシビジョンでもう一度見たいと最後までイジっておられました。

 友達の家で永野さんのネタを観てからというもの、脳内にMAXの『TORA TORA TORA』と永野さんの笑顔がこびりついて離れず、ふと思い出しては笑ってしまうほどでした。

 そしてついに今朝、本物を聴いてみようということで、朝の支度中に『TORA TORA TORA』を流してみました。

 超トランスでサイバーなイントロから放たれるアッパーすぎるテンションを歌うイケイケの女たち!!!

 まさに摩天楼のような煌めき。

 この急性的に脳が覚醒していく感覚はさっき飲んだコーヒーのカフェインの作用なのか、はたまたMAXの作用なのか、平凡なワンルームが輝くダンスフロアになってしまい、そのまま踊りながら家を出ることになってしまいました。

 過去、このコラムでもわたしはギャルが好きということを書いていますが、ギャルは未だ形式を変えこの日本そして東京に存在しています。

 しかし、ほんの2、30年前にはこんなにもギラッギラの曲がスマッシュヒットし、この曲に合わせて踊るギャルたちが実在していたと考えると、なんて夢のある話でしょうか。

 同じようなノリの楽曲として記憶に新しいのはDA PUMPの『USA』が2018年頃に流行りましたが、こういったノリの楽曲に溢れていた90年代のJ-POPは本当に魅力的です。

 DA PUMPもMAXもどちらもバブリーと言うべきギラギラ感がありますが、MAXのようにイケイケの女たちが己の煌めきを抑えることなく1000%炸裂させながらギラギラの曲を歌って踊るというのはいつの時代もとてつもないパワーがあり最高ですね…。

 時に、ハロオタまではいかないのですが、モーニング娘。やアンジュルムの楽曲を聴いたりMVを見たりするのが好きです。

 そしてハロプロの魅力の一つとして上記と被るのですがイケイケの女たちが己の煌めきを抑えることなく、むしろ超発揮しながら魅力を大爆発させているというところです。

 「強い女」というワードが近年ずっと流行しています。最近のK-POPにおいてもガールクラッシュと呼ばれる女性的は華やかさ、儚さだけではなく、カッコよさや強さを武器に活動するアイドルがたくさんいます。

 MAXのみなさんもハロプロのみなさんもガールクラッシュなみなさんも強い女に違いないのですが、果たして強い女とは一体なんなのでしょうか?

 媚びない女、誰にも頼らず生きていく女、何事にも屈しない女、鋼鉄のように隙のない女、女であることを武器する女…想起するワードはいろいろ出てきます。

 連載中かつ実写ドラマが放映中の『明日、私は誰かのカノジョ』という漫画があります。現代の日本東京を傷つきながらもしたたかに自分の足で生きていく女性たちが描かれているのですが、この漫画のキャラクターたたちも全員強い女だと、わたしは思っています。

 登場人物の中には自分の性を売りにして稼ぐキャラクターもいて、それは一見自分の身を削っている行為のように思えますが覚悟と信念に基づいた決断なのでかっこいいと思います。

 例えそれが本心でなく、経済的な状況から仕方なくスタートしたことだとしてもその決断は間違いなくかっこいいです。

 というか世の女たちは全員強いし、なんならかっこいいんですよね。今はそうでなくてもそうなれる素質は全員にあるし、ただ自分の魅力と才能を自分で受け入れてしっかり地に足がついていればそれは強い女なのではないでしょうか。

 アンジュルムの大好きな歌詞に『夢に見てた自分じゃなくても真っ当に暮らしていく今どき』というたいへんに素晴らしい一文があります。

 これは強い女になるための大ヒントであり、わたしが信条として掲げているワードの一つでもあります。いつでも見れるように本当は腕に刻みつけたいのですが、これは引退後、真に好きなように生きられるようになるまでとっておくことにします。

 ついでのお話ですが、わたしが爆ウケした永野さんの件のネタですが、気になって調べたらめちゃめちゃ炎上していたようです。なんでも不謹慎すぎるらしいです。

 たしかにMAXに対してあまりに失礼すぎますが、わたしはこのネタのおかげでMAXの魅力に痺れることができたし、今回のコラムも爆誕したのでこれはこれでめでたしですね。

 今回のコラムはこのへんで終わります。

 また次回もよろしくお願いします!

【架乃ゆら(KANO YURA)】
身長:156cm
スリーサイズ:B84(D)・W55・H86
生年月日:1998年12月28日
趣味・特技:昭和歌謡、特撮ヒーロー鑑賞
ツイッター:@kano_yura
インスタグラム:@kano__yura
公式ブログ:架乃ゆらオフィシャルブログ
YouTube:かのちゃんねる

(写真・構成=神楽坂文人Twitter@kagurazakabunji

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