飛田新地が迎えた新しい春|ニッポンの裏風俗

日本の裏風俗探訪/コロナ禍の飛田新地

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 ようやく東京も緊急事態宣言が解除された。

 先日、所用で行った大阪と名古屋は一足お先に解除されていて、

 

「ずっと頭の上に乗せられていた重い石を、やっと降ろして遊びまくり、飲みまくれるゼ」

 

 そう喜んでいたのは筆者だけだったようだ。というのも、大阪で乗ったタクシーの運ちゃんに、

 

「解除っていっても、1時間後にずれただけやったらなんも変わりませんわ」

 

 そう言われたからだ。

 知らなかったのだが、大阪は緊急事態宣言は解除されても、飲食店は午後9時までという自粛要請が出ているらしい。出張先で初めて知ったというお粗末ぶりだった。お恥ずかしや…。

 

「するってーと、飛田も料亭だから9時まで?」

 

 運ちゃんに聞くともなくそう呟くと、「多分そうだと思いますよ」とバックミラー越しにチラ見しながら言われたのだった。

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 21時半に所用が済み、それから向かった飛田新地は3月なのに「迎春」の提灯が並んで燈り、幻想的な光景を浮かべている。提灯に灯は入っているが店の玄関はすべて閉まり、女のコはもちろん、客もいない無人の小径が続いているだけだった。

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 新地内の路地各所には、府内の感染者数の掲示板が立てられている。そして、いつのまにやらこんな石碑もできていた。

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 翌日、別件の仕事を済ませた昼過ぎ、真昼間のちょんの間に期待せず再訪することにした。

 商店街に近い方は相変わらずのレベルの人妻系が座っている。そして、高速道路下を過ぎるとそこから先、メイン通りにもポツポツとだが店は開いているようだ。はたして、店先をのぞいてみると、夜と変わらないめっちゃカワイイ子が微笑んでいるのだった!

 開いているのは4分の1~3分の1程度だが、女のコは粒寄りだ。比べる女のコが少ないせいかもしれないが、それでもグラドル並みの女のコが座っていれば十分だ。

 今回は上がっても遊ばずに、コロナ禍の飛田の様子を聞くのが目的である。が、メイン通りから青春通りを歩いてみるも、女の子がカワイくて眩しすぎるせいか、なかなかおしゃべり好きそうな子がみつからない。そこから人妻通りに差し掛かったところで、ようやくひとりの女のコに目が止まった。

 

「なんでこんな裏路地にこんな若い子が?」

 

 どう見ても20代前半の、愛嬌ある女の子を見つけたのだ。その辺も興味をそそり、上がってみることにした。

 玄関でおばちゃんが体温測定と手指の消毒を。女のコと一緒に二階へ上がると、今度はモザイクタイルの手洗い場でマウスウォッシュでうがいをさせられる。コロナ前の飛田ではなかった光景である。

 女のコはぽちゃっとしているもののデブではなく、愛嬌のある顔立ちをしている。部屋には座卓と敷かれた布団が並んでいるが、コロナ前と違うのは、座卓の上にはダンボール製の枠にビニールを張った衝立てが置かれていることだ。

 どうせすぐ横の布団で濃厚接触するんだし、間仕切りの意味は? と思えてしまうが、「飲食店」という建前上必要な措置だと理解した。

 彼女にどうしてこんな裏通りに入るのか聞くと、直接的な返事はしないものの、「店に入っても、女の子の数などで別の系列店に回されることもある」と教えてくれた。

 風俗は飛田以前にもいろいろやっていて、ここにはコロナの前から座っていると言う。入店以来ずっと早番で、朝10時の開店時からお客さんは入ってくると、真昼間のちょんの間の意外な一面を教えてくれた。

 去年の緊急事態宣言のときは飛田新地は全店休業だったが、今回は自粛時刻までの時短営業という。驚いたのは、夕方以降少し客は増えるが、それも夜7時まで。7時を過ぎるとほとんど人がいなくなってしまうということだった。

 

「外国人が減ったのが大きいわ。中国、韓国人が多かったかな。今は少ない常連さんたちに助けられてる」

 

 彼女は筆者の下半身を紙おしぼりで拭き、ゴムを付けてフ⚫︎ラすると騎乗位で跨ってきた。遊ぶつもりはなかったはずだが、いつの間にか筆者の腰の上でパイパンの股間が上下していた。

 ゴムフェラでキスもせず、互いにマスクしていれば、60分キャバクラで女のコと飲むより安全なんじゃないか、その思いを確信した15分だった。

〈写真、文=松本雷太Twitter@raitama36〉

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