美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「うんこちんこ呪文」

美咲かんな連載エッセイ:うんこちんこ呪文

美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「うんこちんこ呪文」の画像1

エロとホラー

 緊急事態宣言の延長もあり、長引く自粛ムード。元々自宅にいることが好きなので、極端なダメージはないが、こうも続くとそろそろパーッと遊びに行きたい気持ちになってくる。

 とはいえ自宅にいると暇はない。掃除やメンテナンス、料理の仕込みなどはもちろん、日々の暮らしに関わる名もなき細々とした用事は、切り捨てない限り無限にあるのだ。それを一切忘れて娯楽に没頭できるのが外出することの良さではないかと思う。

 例えば外出の移動中に音楽や映画を楽しんだり、カフェで読書を楽しんだり、そういう機会が外出自粛によって大幅に減ってしまったのだ。

 趣味に生きる人たちはあまりそう感じないのかもしれないし、むしろ自宅で集中して趣味を楽しめるという人もいるだろう。しかし、私は時間があるならキッチンの整理整頓がしたいし、時間があるなら早めに寝てしまおう…なんて、色気のないことを考えてしまうのだ。

 深夜に暗い部屋でホットドリンクと映画を楽しみたい。楽しみたいけれど、寝たいが勝る。

 まあ私に「映画好き」のイメージはほぼないと思うが、まさにそのとおりりで、映画はほとんど観ない。理由は先に述べたようなことだ。

 観る機会は少なく、最近は特に観ていないが、しいて言うならホラー映画が好きで、ちょこちょこ観ていた時期もあった。ホラー映画が好きというよりは、不気味な話やホラーチックなものが好きという感じである。

 子供の頃から怪談話が好きで、友達同士で話をしたり本で読んだりしていた。昔はテレビ番組のホラー特集も多かったが、最近はほとんど見かけなくなってしまい、少し寂しいような気もする。バラエティのお色気演出の衰退と同じような雰囲気だ。

 ホラー好きではあるけれど「お化けを信じている」ということではない。どちらかというとファンタジーの部類だと思っている。「見たことがある」という知人は何人かいるが、それが錯覚ではないと証明することはできない。

 信じたい気持ちはあるけれど、自分が見ていないものを真に受けて信じるというのは案外難しいことだ。アダルトコンテンツを愛していながらも現実にはエッチなハプニングに出会えない私にとっては、エロもホラーも似たようなものかもしれない。

 お化けを信じていないと言いつつも、怖いと思う気持ちはある。そしてそれが楽しさに繋がっているのだから何とも不思議だ。

 恐怖体験の話を聞くとやはり暗闇や人気のない場所が怖く、幼い頃はトイレに行くのも廊下を歩くのも一苦労だった。それでも怖い話が好きだから「見たい」「聞きたい」。そしてまた怖くなるというエンドレスホラー。こんな経験がある人も多いだろう。

 今はそこまで怖くない。というか、これはもう自分自身の問題で、怖いと思えば怖いのだ。怒りや悲しみをコントロールして生き抜くのと同じように、ある程度の恐怖心も自分なりの対処ができるようになった。大人になるというのはこういうことかもしれない。もちろん幼い頃からコントロールができていたわけではなく、その頃は別の方法で恐怖を和らげていたのだ。

美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「うんこちんこ呪文」の画像2

呪文

 小学生の頃住んでいた家は大きめの一軒家で、広い分使用していないエリアの暗さが目立ち、借家独特の劣化具合が程よく怖い。さらに私の家族には「あの部屋はなんかいる」とか「気配を感じる」みたいな「スピリチュアルなことを言ってしまう勢」がいるので、より一層怖い家に思えた。

 夜の帳が下り、住宅街は静けさに包まれる。リビングに家族が集まると一気に他の部屋は暗く不気味だ。誰もいない暗い廊下に見える人影。何か聞こえる。

 

「ちんこ…うんこ…ちんこ、ちんこ、ちんこ!!!!」

 

 暗闇をじっと見つめ、気を送るように両手のひらを向けながら自分なりに生み出した「呪文」を唱える私である。

「霊は不浄なものを嫌う」

 初めてこれを知ったとき、私はもう幽霊に負けることはないと思った。口裂け女から逃げるときに「ポマード、ポマード、ポマード」と、唱えるのと同じように不浄なものを呪文にして唱えればよい。

 しかし、「不浄」といっても色々あるではないか。恐怖を感じるときにスッと言葉に出しやすく、あまり生々しくないワードをチョイスするべきだ。子供が口にしていてもそんなに違和感がなくて、不浄に通ずるワードを。

 そうして生まれたのが「ちんこ」と「うんこ」だ。何を言っているのだと思うかもしれないが、大真面目である。極端にインモラルな言葉ではなく、子供がいる家庭などでは耳にするレベルの不浄さ。普段使いにはベストだったのではないか。

 最近は生きている人間や、自分自身が生きていかなきゃいけないことの方が、お化けなんかよりも断然恐ろしいと思っている。余計なことを考えず、恐ろしくて「ちんこうんこの呪文」を唱えてしまうくらいホラーに没頭できる日がまたくればいいなあと思う。

美咲かんな

美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「うんこちんこ呪文」の画像3

【美咲かんな】
生年月日:1994年7月3日
スリーサイズ:T158・B85・W58・H88(cm)
公式Twitterはコチラ

men's Pick Up

エロカルチャー関連トピック