美咲かんなエッセイ:ふしだらな気持ち「愛とはなんぞや」

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 この原稿は書き始めてからまだ8時間ほどしか経っていないが、私が人生の中で愛について考えている時間はもっと長い。考えても答えが出ないということはなんとなくわかる。目に見えなくて人の感覚に左右されるようなものに正解なんてないだろう。

 このエッセイでは既に毎度のように「人それぞれ」という言葉を多用しているのだが、この考え方は私の人生のベースになっている。方程式のような決まった答えが、人間の中にあってたまるか。

 愛にも真っ直ぐなものから歪んだものまでたくさん種類があり、場合によっては苦しみを伴うこともある。それを受け入れるかどうかは当事者が決めることで、他人がどうこう口を出していい話でもない。

 不特定多数に見られる仕事をしていると、本当に全く知らない人から「人を愛せ」とか「家族を大切にしろ」とかいうお言葉を頂戴することもあるのだが、誰なのかもわからない赤の他人からの道徳で習うレベルのアドバイスに心打たれるほど愛のない人生は送っていないので、大丈夫ですよ。

 家族との関係は人に自慢できるほどよくはないが、支え合いながらも独立独歩な私たち家族らしい距離感と愛情というものがある。よそと比べるなんていうのは野暮だ。どの家族にも他の人は理解しがたい何かがあるのではないだろうか。私は私なりに愛情を感じているし同じように愛しているつもりだ。犠牲を払ってでも暮らしを助けたいと思うのは自分なりの愛情表現である。

 いや、駄目だ。いくら時間を費やしても愛というものに関して綺麗にまとめることはできない。

 具体的ではないし言葉に表せないけれど確かに存在している。それが私の考える愛だ。

 家族に限らず、応援してくれる君たちやちょっとした知り合いからも感じる…などと言ったら、柄でもないと笑われてしまうだろうか。

 愛し愛されているから生きていけるような気がするのだが、これだけ悩んで締めがこれというのは大変心許ない。考えるのはやめて、愛犬を愛でる方が有意義な気もするが、こうして脳内でひたすら討論をすることは偏屈な私の趣味なのである。

美咲かんな

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【美咲かんな】
生年月日:1994年7月3日
スリーサイズ:T158・B85・W58・H88(cm)
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 美しい花には棘がある――。誰もが備える多面性を表現したこの言葉。特に男を惑わす美女には危険な一面がある、という男の自戒的な意味を表しているわけだが…。勝手に舞い上がって棘が刺さってしまうのは男のせいとも言える。美女は美女で悩むことも多いのだ。AV女優・美咲かんなも悩み多き美女のようで…。美しくもどこか陰のある彼女が、素直な気持ちをふしだらに綴る。

 犬の散歩に出かけた際、近所にひまわりが咲いているのを見つけた。今年は花見もせず、季節というものに鈍感であったが、犬の散歩は昼から夜へと変わり、半袖短パンでも寒くはない。ニュース番組では夏日だとか梅雨入りだとか、そんな話をしている。気づけば夏至もすぐそこまできていたのだ。

 6月某日、私は第3回目のエッセイの内容をどうするか悩んでいた。連載が始まってひと月も経たないというのに、既にスランプ気味である。どうにか絞り出した文章を打っては消し打っては消し、思い悩んでいると突然テレビから「うどんは青春の味」という力強い言葉が聞こえてきた。

 恋や愛について、そしてその違いについて君たちは考えたことがあるだろうか。どこかの学者や詩人が各々「これだ」という答えを出して発表しているようだが、それもまた人それぞれで、正解というものはないと思う。

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