【元デリヘル店長の回想録】実技講習でそのままキャストを頂いてしまった話


【金融会社から紹介されてきたキャスト、カナコ】

 カナコは、私が店長を務めていた店舗グループと付き合いのある金融会社から紹介されてきた女性だった。

 理由を聞けばよくある事情で、ホストクラブに通う金を金融会社から借り上げ、膨れ上がった元金が返済できなくなり、稼ぎのいい仕事としてここを紹介されたという。

 この手の事情で入店を希望して来る人間は比較的多いが、それは個人応募での話であり、金融会社から直接というのは珍しかった。

 これは、金融会社の方ですでに「債務者(今回でいうカナコ)が逃げられない状態」を構築している場合が多く、返済が終わるまで店舗を辞められない状態になっている。

 「逃げられない状態」というのは、恐らく身分証を抑えられていたり、実家まで知られていたり、交友関係をすべて把握されていたり…、私自身はその手の専門家ではないため、詳しくは分からない。

 しかしながら、ひとりの人間を難なく風俗で働かせるくらいの強制力はあるということになる。

 そう、金融会社から紹介された女性は、金融会社からの許可なく「店を辞めることができない状態」なのだ。

 お気付きの方も多いと思うが、今回の様な「何らかの事情で入店後は退店できない状態」であることこそが、冒頭でお話した「稀なケース」である。

 金融会社からは「月に○○円回収できればOKです」という風に、キャストの返済ノルマを先に聞いておく。

 ノルマはそこまで高いハードルではないのだが、このノルマを達成させることで金融会社からの信用を得ることができるからだ。

 事実、私は何度もほかのキャストでノルマを達成させた実績があり、私がキャストに対して行う行動はすべて「返済のため」として黙認してもらっていた。

 金融会社は「金を回収できればなんでもいい」の精神であり、私はそれを大いに利用させてもらっていたのである。

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