常識から逸脱した驚くべき事件…妻が夫の睾丸を握りつぶし殺害

※イメージ画像:Thinkstockより

 夫婦の間でのトラブルや事件は昔から数多いが、そのなかには常識から逸脱した、驚くよう事例も少なくない。明治42年に新潟で起きた事件も、そんな珍事のひとつである。

 この年の2月7日、県内のある村に住む清吉(40)とその内縁の妻であるすみ(30)が、脱ぎ捨てた衣服を「畳むか畳まないか」というつまらないことからケンカとなった。

 言い争いは次第に激しくなったようで、ヒートアップしたすみは清吉につかみかかると、「睾丸を握り締めて之を殺したる」との行為に至った。睾丸を握りつぶして夫を殺害したというのである。

 清吉の死因などその詳細は不明だが、この話はうわさとなって広まり、近隣で大きな評判となった。その話は警察の耳にも入り、事件として捜査に着手された。そこで、死因の特定のために詳しく調べることとなったため、出棺の際に警官がやってきて門前で遺体を差し止めた。それから清吉の遺体から心臓と睾丸を切り取って保管するとともに、すみを傷害致死で告発した。

 裁判の争点は「病死か、それとも睾丸を握りつぶされての傷害致死か」であった。

 捜査では、現場に居合わせた6人の男が警察での取調べに応じ、6人とも「清吉は傷害ではなく病死」と証言した。ところが、予審で改めて判事が取り調べを進めたところ、今度は6人とも「清吉は睾丸を握り潰されて死せり病死とは真赤な偽りなり」と発言。警察では「真実を話さないうちは帰さない」と強要されたなどとしたため、波乱を起こした。

 ところが、公判では6人はまたしても発言を翻し、「清吉は病死」と主張し、予審での発言を全員が否定した。そして結局、一審ではすみは無罪判決となった。

 だが、これに納得できなかった検事は、事件に立ち会った医師の報告や、予審での事実、村内の評判などをもとに控訴した。さらに、証人の6人についても偽証罪で起訴した。

 控訴審では、すみと6人の証人は病死を主張。これに対して、裁判長が証拠品として清吉の遺体から切り取ったアルコール漬けの睾丸をすみの前に突き出して、「この証拠物に対して異論はないか」と詰め寄るなど、異例の光景で裁判が進められた。たしかに、生殖器の一部が法廷に持ち出されるというのは、めったにないことであろう。

 そのほか、医師の検視報告など、数々の証拠が掲げられた。検事がかなり熱心に調べを進めたことがうかがえる。

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