店名は昔と一緒なのに中身は別物? 今、吉原で何が起こっているのか


 ちなみに、その姉妹店も筆者のお気に入りで、何度か行ったことがある。どうりで、受付で見せられた新入店の女性の顔に見覚えがあったわけだ。

 在籍女性が増えることは、ユーザーにとっては単純に嬉しいことだ。しかし、そこで働く女性は、競争が激化することになる。カナコさんも「指名があったのに、部屋が埋まっていてキャンセルになった」と愚痴った。

 また、姉妹店とはいえ、ふたつの店はコンセプトも違えば、女性のタイプも異なっていた。その結果、熟女専門であるはずの『S』が、若返ってしまうことになったのだった。

 そして、女のコの中で派閥のようなものができてしまったとカナコさんは言う。待機場は、以前は感じることのなかった殺伐とした雰囲気なのだそうだ。これでは、働く方も士気が下がる一方だろう。プレイ自体は、カナコさんのプロ意識もあって、いつも通り充実したものだったが…。

 後日、吸収されたもう一軒がどうなっているのか気になったので、訪れてみた。

 その元姉妹店『K』は、店名も佇まいも変わらずに営業していた。しかし、在籍女性は一新されていて、巨乳に特化した店になっていた。

 プレイは、バリエーション豊かなパイズリを楽しめた。しかし、仮に以前のサービスが好きだった客がリニューアルを知らずに遊んだら、複雑な思いをするだろうことは想像できた。

 あるネット掲示板では、こういった場合「店名を変えてほしい」という声も少なくない。しかし、店名を変えない理由はいろいろとあるようだ。ある事情通の話によると、それは『吉原の暗黙の了解』なのだという。

 オーナーが変わったり、店名を変えてリニューアルオープンすることは、法律や条例的に可能だ。しかし、新しい名前になるということは、表面上は新しいお店となる。すると、ここで暗黙の了解が発動するそうだ。

 それは「1軒目は流行らせてはいけない」ことだと事情通は教えてくれた。つまり、たとえ鳴り物入りでオープンしたとしても、最初は出しゃばってはいけないというものだ。そのため、店名を変えてのリニューアルオープンを行っても、大々的な宣伝などを良しとしない風潮があるという。結果として、オープンの際に公式サイトをコッソリと立ち上げる程度という店が多くなる。

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