今年はまだいい夢を見ていられた ~2015年アイドルポップスベスト10まとめ~


■次点作品 
 

 3776「3776を聴かない理由があるとすれば」は、愛することはできないけれど、あまりにも完璧なコンセプト・アルバム。愛することはできないけれど、圧倒された。

 

 
 みり☆おーね「長者町小唄 featuring みり☆おーね」は、長者町789丁目町内会長作詞の「長者町小唄」を歌うという期間限定ユニットによる楽曲。サウンド・プロデューサーは大谷能生で、サックスの鳴る薄いトラックをバックに、ラップから小唄が展開される。異端すぎて扱いに困った一品。

 

 
 星野みちる「坂道の途中」は、シングル「夏なんだし」のカップリング。アナログ7インチ盤のA面は小西康陽が作詞作曲編曲した「夏なんだし」で、B面は高浪慶太郎作曲の「坂道の途中」。元ピチカート・ファイヴが裏表を制作したシングルである。「坂道の途中」は、マイクロスターの佐藤清喜が編曲した見事なフィル・スペクター歌謡。

 

 
 あヴぁんだんど「Feedback Friday」は、ファースト・ミニ・アルバム「ピクニック at nerd park」の収録曲。ルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」のフレーズを引用しており、ルー・リードの「メタル・マシーン・ミュージック」を世界初のノイズアルバムだと語っていたJOJO広重の非常階段と「あヴぁ階段~恋のノイズ大作戦」を2016年にリリースすることは、いわば運命だった。

 

 
 エレクトリックリボン「無敵ガール」は、ソングライターにしてトラックメイカーであったasCa在籍時の最後のシングル。3分過ぎからディスコ色が出てくるのは、ブラック・ミュージック色が薄いエレクトリックリボンとしては珍しい展開だった。

 

 
 フロリダ「KYO」は、テンテンコと滝沢朋恵によるユニットのファースト・アルバム「FLORIDA」の収録曲。アイヌの輪唱を連想させる、ふたりの肉声のみによる楽曲だ。テンテンコのオリジナル・ソロ・アルバムも2枚リリースされたが、「テンテンコの生命大躍進」に収録された「風邪」は、カシオトーンをバックに英語詞で歌う美しい楽曲だった。

 

 
 天川宇宙「イヤなコトはふっ飛ばしたい」(正式な表記は『コト』が半角)は、Maltine Recordsからリリースされた配信アルバム「平行宇宙マジカルプラネッツ」収録曲。天川宇宙は12月25日をもってアイドルとしての活動を終了しており(ライヴ活動は今後も行うとのこと)、私たちは聡明な目をしたアイドルをひとり失った。

 
 BELLRING少女ハート「Athma」は配信限定シングル。盛りあがる合唱パートが短いところが心憎い。

 Stereo Tokyo「PARTY PEOPLE」は、6人組(当時)EDMユニットのシングル。トチ狂ったイベントの数々で話題を呼んだが、ヲタのクリエイティヴィティも突出している。ヲタが撮影、編集した映像を見ながら「自分もパーティーピーポーになりたい」と思わせられるほどだった。

 

 
 音波ガール「みのりの季節」は、KGY40Jr.のプロデューサーである皮茶パパが、本気で宇宙と交信するために結成したグループのセカンド・アルバム「地球の想い出」収録曲。皮茶パパの作品の中でも、ピアノの響きをメインにしたこれまでになく美しいトラックで、皮茶パパのコーラスに意味性があること自体にも驚いた。

 

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