“昭和SMの復活”を掲げて電撃復帰した桜田伝次郎! 緊縛師・明智伝鬼の師が語るSMの醍醐味とは

 
――オサダ栄吉さんが抱えていたSMへの欲求とはどんなものだったんでしょう。

伝次郎:オサダ栄吉さんの会を手伝うようになって、僕は照明をやったり、台本を書いたりするようになるんです。その台本にはないんですが、SMショーの前には、オサダさんが「SMとはなんたるか」を語った音源を会場に流すんですよ。それを聞いたときに、オサダさんの抱えていたSMへの思いの深さを感じたよね。

――そのエピソードにはグッとくるものがありますね。オサダさんの抱えていたSMへの計り知れない思い…。

伝次郎:そうだね。なんていうか、長年、人前では明らかにできなかったがゆえのSMへの思いの強さを感じたね。そのころの僕は芝居の宣伝には馴れていたので、それを生かして週刊誌やスポーツ新聞にオサダさんの紹介記事を載せてもらったりするようになるんです。すると、もの凄い数の人が殺到するんですよ、劇場に。僕自身、その現象に興奮と驚きがありましたね。SMという字がスポーツ新聞に大きく出て、それを見たお客さんがショーを見にくる。これは明らかに違う“シーン”が始まったという実感がありました。

――新しい現象というか、幕開けだなという手ごたえでしょうか?

伝次郎:そうそう。毎回何百人もの人が詰めかけて、劇場がパンパンになって、SMショーに全員が酔いしれるわけですよ。当時は、お客さんの汗が壁や天井に伝わってポタポタ落ちるぐらいの熱気があった。それは新しい時代の到来というか、今までとはまったく違うことが起こっているという感じ。SMの魅惑を不特定多数の人と共有するってことが、自分にとってもセンセーショナルだったね。

――仕掛け人であり、緊縛師の桜田伝次郎はそういった流れの中で、ある意味必然的に生まれたと。

伝次郎:オサダさんのショーを見ているうちに、僕はそこに集ったお客さんに対して興味がわいた。それで、お客さんに「今日のショーのどこが好きだったか」「どの部分に興奮したか」というのを聞いていきました。そこで知ったのは、人の好みは十人十色ということ。同じ責め方が好きという人はほとんどいない。それって実はM女と同じなんですよね。

――M女さんも、いろいろなタイプがいるわけですね。

伝次郎:そう。なので、女性を責めるときは、最低二箇所同時にしていました。それでM女の反応を見つつ、お客さんのことも意識するんです。プレイヤーとしてステージに立つときは常にお客さんの視点を忘れないようにしています。

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