大激戦のレコード大賞、本命不在の流行語大賞! 混迷極める賞レースの行方


 本命不在のレコード大賞同様、誰もが納得するような候補に欠けているのが、「ユーキャン新語・流行語大賞」だ。毎年12月の初めに発表される流行語大賞だが、こちらも大混戦の模様。すでに話題になっているものをピックアップすると、今春放送された沢尻エリカ主演のドラマ『ファースト・クラス』(フジテレビ系)から生まれた、女性同士の格付けを意味する「マウンティング」や、上戸彩主演のドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)で描かれた不倫する女性たちの別名「昼顔妻」などがあるものの、いずれも大賞にふさわしいかと聞かれると素直には賛同できない。また、大ヒットした映画『アナと雪の女王』や社会現象を巻き起こしている『妖怪ウォッチ』なども候補として指摘されているが、一部での盛り上がりは認められるものの、あくまでも“一部”という気がしてしまう。

「何といっても今年は芸能界以外からの人物が目立ちます。STAP細胞騒動を巻き起こした小保方晴子さんをはじめ、ゴーストライターの佐村河内守さんや遠隔操作ウィルス事件の片山祐輔氏、さらには“号泣議員”とアダ名までつけられた野々村竜太氏など、キャラクターの濃い人物が多数登場しました。そうした人々の印象が強いため、通常ならば流行っていると思える言葉も影が薄くなってしまうのかも。たとえば芸人の日本エレキテル連合は『ダメよ~ダメダメ』というフレーズで大ブレイクを果たしており、例年であれば文句なしの大賞といえるでしょうが、どこか腑に落ちない。それも強烈な個性を持った一般人の存在が影響しているのでしょう」(業界関係者)

 ほかにも「消費増税」や「レジェンド」といったワードが流行語大賞の候補として考えられているようだが、いずれにせよ、満場一致の大賞とはいかないようだ。

「今年もすでに発表されている『ベストジーニスト』や『日本メガネベストドレッサー賞』などは、何年も前からその存在意義を問われています。たとえば2014年のベストジーニストには小池栄子さんや安藤美姫さんが選ばれていますが、特に彼女たちにはジーンズの印象もありません。メガネベストドレッサーも同じで、May J.やAKB48のメンバーが受賞しましたが、盛り上がっているのは本人とファンたちだけでしょう。そうなってくると、そもそも賞が必要ないのではという声も挙がります。主催者サイドは一般公募をするなどし、何とか注目を集めようとしていますが、このまま結果に疑問が残るようであれば、世間の目は冷えていくばかりです」(前出)

 無難に選んでは話題にならず、かといって大胆すぎる選出は視聴者を白けさせてしまう。賞レースの審査はいかにも難しものに違いないが、世間が納得してこそ存在価値を示せるというもの。今のところ注目を集めるレコード大賞や流行語大賞には、多くの人が認める受賞者が選ばれるといいのだが…。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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