暴走するおぎやはぎ・小木に哀川翔がマジ切れ!? それを面白がるとんねるずのスゴさとは


 突如、後ろから頭を叩かれた哀川は、まるで何が起こったのかわからないといった表情できょとんとするばかり。しかし、それが小木によるものだと判明すると、「なんで殴ってんの?」と一言。小木とすれば、大物にツッコむ決死のギャグだったのだろうが、そんな目にあったことないであろう哀川にとっては、まさに青天の霹靂。一瞬冷たい視線を小木に向けると不穏な空気を滲ませていた。直後には哀川も困ったような表情で苦笑いを浮かべ、その場は再びバラエティの空気に戻ったのだった。

 さらにその後に哀川を相手に詰め寄るという行為に出た小木は、案の定、哀川から強烈な平手打ちを食らってしまう。もちろん、この小木の追い討ちは、さきほどの哀川の感情を察してのことに違いない。後ろから頭を叩いたことに怒りを覚えながら、バラエティを成立させるために我慢した哀川のもやもやを、あえて発散させるために、殴られにいったと考えるのが妥当だろう。お調子者キャラでありながら、そのあたりのセンスと嗅覚を見せる小木はさすがだ。

 そして、そんな小木の暴走を楽しんでいたのは、やはりとんねるずの2人。とりわけ、哀川の頭を叩く小木に対して笑っていたのは石橋貴明(52)だ。その後、哀川に平手打ちを食らう小木を見て笑うのも石橋だった。さらにいえば、そんな石橋の存在があるからこそ、小木に頭を叩かれても哀川はキレずにいたといえる。とんねるずの番組だからこそ、という思いは哀川の中にもあっただろう。もちろん、にしきのがこの番組の中でイジられ続けているのもメインがとんねるずだからに違いない。ほかの芸人の番組で同じようなことが起これば、きっと彼らはすぐに愛想を尽かしてしまうだろう。

 急遽、番組出演が実現したと思われるクリスティアーノ・ロナウドを迎えたとんねるず。それはフジテレビサイドから、世界のスーパースターを相手にできるタレントとして選ばれたからに違いない。そして、そんなコンビだからこそ、哀川やにしきのといった芸能界の先輩たちも彼らを認め、彼らの番組で期待に応えるのだろう。子飼いの後輩芸人たちしか番組に出演させないと批判を受けることも多いとんねるずだが、その真骨頂は、先輩たちからも一目置かれ、世界的なスターとも堂々と渡り合える人間的な魅力にあるのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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