ありえないシチュエーションからSEXへ! 勢いで突き抜けろ!!

ドリル+ストッキング+アンビバレント! ものすごいハイテンションで駆け
抜ける、ギャグエロマンガの決定版。読むだけでナチュラルハイになれる!

縁山著『ドリストア』

 緑山じゃないよ、「縁山(へりやま)」だよ! どこかで見たような(具体的に言うとメガストア)フォントとタイトルのこの作品集、なんせタイトルの意味からしてテンションがおかしいのですよ。これどういう意味かというと「ドリル+ストッキング+アンビバレント」。よく分からないと思いますが、よく分からなくて正解です。ドリル髪(金髪縦ロール)とストッキングのフェチを高らかに掲げながら、とんでもないハイテンションで突き抜けていく怪作です。

 ペラペラとめくるだけで、いかにこの作品集が奇っ怪かは一発で分かります。とにかくセリフの量が尋常じゃない。ヒトコマの中にすさまじい分量の細かい文字がびっちり詰まっています。例えば「あ、ああ。このままでは私はこのままこの二人に骨までしゃぶられちゃう……うっかり油断して鼻ほじったばっかりに……でもビデオならそう簡単に公開したりはしないと思うし、でもそれがやっぱり弱みである事は同じだし、撮らせたからといって鼻の件を忘れたりは」ここまでヒトコマ。5cm×3cmくらいのコマにこんなスピードでセリフが詰め込まれます。ここが特別なんじゃなくて、全体的にそういうコマばっかりなのです。

 セリフの量が尋常じゃなく多いマンガって読みづらい、と思われるかもしれませんが、これが意外と読みやすい。上の引用を見ても分かると思いますが、セリフひとつひとつは重要な意味があるわけではないのです。エッチな気分でテンションがおかしくなった時に、すごい早口でしゃべる感覚、というと想像しやすいかもしれません。異常に暴走した脳の中の言葉が溢れ出しまくり、現実感を失ってそのままエッチになだれ込む。少年少女達のハイスピードな破裂っぷりは、笑わせながら興奮させてくれるのです。

 例えば短編「犯人は三人」では、ふたりの少女とひとりの少年が「誰かが誰かを脅迫している」と勘違い。そこからさらに勘違いが重なってセックスになだれこみます。さすがに一線を超えるまでに抵抗感はあるんですが、ここにビデオカメラというアイテムが入ることで現実感を喪失、縁山氏ならではのセリフ回しでゴロゴロと転げ落ちるように、全員がからみ合ってセックスへ!

 基本的に全員ボケ役です。ツッコミを入れるのは読者側。ヒトコマヒトコマにツッコミを入れたくなるくらいの凝縮力なので、読み終わった後のトリップ感もすさまじい。このトリップ感がセックスとつながり、「私たちなんかすごいことしてるけど楽しいー!」という少年少女の興奮が心に入ってくるから不思議。

 短編「屋上問答」なんかは「お茶をこぼしてズボンを脱いだら風に飛ばされてしまう。そこに飛び降り自殺をしようとしていた少女が来て死ぬ前にジャージ取ってきてくれよといったらケンカになり、勢いで屋上の落ちそうなところでセックス!」絶対ありえないよ、こんなシチュエーション。だが、そこがいい。要はみんな追いつめられて妙にハイになっているため、吊り橋効果状態でエッチしちゃうんです。

 このギリギリはみ出しちゃった感がとてつもなくエロティック。基本的に笑いながら読める作品ですが、セリフとあいまってエロシーンの長さも尋常じゃないため、こっちもテンションに引っ張られていくのですよ。派手な見た目の子、具体的に言うとドリルとかもエロティックですが、地味な子がハイになって臨界点突破するのはなかなか良いものです。

 忘れてはいけないのはストッキングフェチ。むわーんとにおうようなストッキングの蒸れた脚の描写のこだわりはハンパではありません。地味っ子+ストッキングフェチ+暴走エッチ+幼なじみ属性な短編「ソース」は比較的読みやすく入門編としてもおすすめ。いわゆる普通のエロ漫画を期待すると驚くかもしれません。しかし変わっていてエロいマンガを読みたいという人は迷わず買うべし!と言いたい強烈な逸品でございます。中毒性も抜群なので、今までストッキングフェチじゃなかった人も目覚めちゃうかもね。
(文=たまごまご/たまごまごごはん

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