軽い気持ちでスワッピング!? 罪悪感ないNTRの魅力!!

心は拒絶しても、体が快楽に流されてしまう! とろける体が
最高にキモチイイ、ほっこり温かそうな肉体が魅力の作品集。

ひげなむち著『ヒトカノ』/ワニブックス

 この本、絵や肉感の描写に関しては三重丸をつけます。

 ただし「寝取られ」「流され」描写が基本になっていますので、そういうのが苦手な人はまず注意! むしろどんとこいという人には絶賛オススメ。「えっ、なにそれ?」と言う人は新しい扉を開きましょう。

 内容はもうタイトルのとおりなのです。他人の彼女、他人の奥さん。恋愛関係にない相手とのセックスを描いた作品群です。

 とはいえ、「寝取られ」というとちょっと重苦しいイメージになってしまいますが、この作品集重さはありません。付き合っていない相手と、背徳感を持ちながらセックスはしているものの、罪悪感がそれほど描かれていないのです。

 ちょっと不思議なんですよ、夫じゃない、彼氏じゃない相手とセックスしているのは良くないことだ、って分かってる。分かってるし後ろめたくて言えないんだけど、それを楽しんでいる自分もいる。これを「流され」という言葉で表現しています。

 いきなり「流され」直球の話をすると「?」となるかもしれないので、先に巻末に掲載されている「2×2(ツーバイツー)」「1×1(ワンオンワン)」について書いてみます。連作なのですが、これは2組のカップルのスワッピングの話です。ようはセックスの相手交換。片方のカップルは当然それを嫌がるのですが、もう片方のカップルはノリノリ。最初は「実はEDになっちゃって」という相談から始まって、仕方ないなあ……と受け入れるのですが、途中から一気に男女ともにノリに流され、セックス交換が行われます。

 面白いのはその後。スワッピングするのが常習になってしまい「まっずいよなあ…俺ら流されすぎ」「…だよね、もうやめないと…」と言っているのですが、繰り返しスワッピングしてしまうんです。「もうだめだよ」「これじゃよくないよ」分かってはいるけれども、相手は「おーいさっそくやろうぜー」。軽い!

 こんなテンションが続くため、読後感は非常に心地良いです。キャラクター達は「またやっちゃったよ」と落ち込むんですが、読者的にはまたやってくれた! なんです。特に女の子の方は、感じたくないのに感じてしまっている。絶対に言葉で受け入れることはしないんですが、体が受け入れてしまっている。そうそう、これが見たかったのよ、エロいのよ。

 スワッピングはお互い様なので明るさが非常に強いのですが、それの片方版だと思えば「ヒトツマ」「ヒトカノ」の「流され」のエロさもよくわかります。見方によっては「寝取られ」なんですが、あえてここは「流され」と言いましょう。

 巻頭の「ヒトツマ」は、ある夫婦と、隣の部屋男性の話。夜、愛を交わし体を求め合う2人のもとに聞こえるのは、隣の部屋から聞こえる激しい嬌声。どんな相手かというとこれがまたテクニシャンな男性。たまたま妻が行ったところ、あれよあれよという間に体を奪われてしまいます。

 もちろん抵抗はするんですが、気持ちいいんですよ。心はかたくなに許していないんですが、体がもう求めてしまっていて、歯止めが効かない! 事後になっても後悔の念はあるものの、怒るに怒れない。気持よすぎて。

 「ヒトカノ」はその彼女版。寝とる男性は「ヒトツマ」と同じ人で、後輩の女の子を彼氏がいると知っていてオトします。ポイントは無理やりじゃないこと。女の子がいやいやながらも、もう仕方ないなあ! と体を開かせるように誘導するのがものすごく巧み。その後はセックスで、快感が何もかもを忘れさせてしまうほどに彼女たちをとろけさせてしまう、という仕組み。

 「ヒトツマ」も「ヒトカノ」も、絶対口では「気持ちいい」とか「好き」とかいいません。むしろ心理的には「嫌い」でしょう。けれども体が求めてしまうんです。心がこばんで体が流されてしまう・・・このシチュエーションを徹底的に描くことで、最高のエロスを組み上げていく作品集なんです。

 その他にも、友人のお父さん、学校の先生、別れた恋人、友人のお兄さんなどなど、ちょっと変化球のセックスが勢ぞろい。恋愛的なものもありますが、それ以上に「嫌なんだけれども流されていく体」を見事に描いています。

 嫌よ嫌よも好きのうち、なんていうけれど、ちょっと違うのよね。本当に心がいやだと思っていても、体が反応してしまう。これがエロスってなもんでしょう。

(文=たまごまご/たまごまごごはん

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