知らなきゃよかった!? ホステスの待機所談


 こういうお客さんの見た目については、顔のつくりや体型などではなく、センスや着こなし、そして清潔感について評論することが多いかも。経験上、裾の短いズボンはもとより、謎の英文プリントやデカデカとしたロゴ入りの服(特に、サーファーじゃないのにサーフ系ブランドとか)は、避けたほうが無難だと思います!

 清潔感については、目・口周り、そしてニオイが重要。鼻毛系はあまり害がないためか(!?)、意外と話題に上ることはありません。

「あの人の目頭についてた白いの、目やにだよね!? ずっと気になってそこばっか注目してたから、ぶっちゃけ全然会話が頭に入らなかった」
「隣の人の口の泡もスゴかったよね!」
「そうそう、私なんて唾のシャワー浴びちゃったよ。早く顔洗いたい!」
「足のニオイもキツかったね。臭いなら靴脱ぐな!」なんて会話は日常茶飯事です。

 とはいえ、みんな心ある大人の女性たち。よっぽどイヤなことがなければ、そこまでこき下ろされることはありませんのでご安心を!

 もちろん、逆にお客さんのイイ話で盛り上がることもよくあります。

 純粋に「あの人かっこいいよね~、私ファンなんだ。超好き!」「結婚してなかったらマジで付き合いたいのに」とか、付き合いが長くなると「ホステスと客っていうより、人間として本音の付き合いができるからラク」「気遣いが紳士だし、信用できる人だよね」とか。「嫌われている:話題に上らない:好かれている」お客さんの比率は、2:5:3くらいかな!?というのが実感です。

 身だしなみが整っていて、かつホステスを見下さず、女性として人として尊重してくれるお客さんはみんなから好かれていますよ!

 異性関係についてはあまり大きな声では言えないものの、信用している女の子同士の会話はかなり露骨。

「昨日久しぶりにプライベートでデートしたんだけど、相手が年の割に金持ってなくてさ」
「お客さんにおごられ慣れちゃってると、ね~」
「私は貧乏な男は絶対イヤ!」
「ときめきたいときは若い男と遊んで、おいしいものを食べたいときはお客さんにご馳走してもらおう!」こんなのはかわいいものです。

「あーヤリて~!」
「わたしも発情期! けど客とはないな」
「私は○○さんならアリ」
「え、趣味悪くない?」
「実は私こないだ、前の旦那と…」
「それはマズイっしょ!?」

 なんて会話も日常的。先日など、知的で黒髪、清楚な雰囲気で“結婚したい子ナンバーワン”と呼び声高い子が「外人食っちゃった!」と大ネタを投下。お客さんに言ったら何人ショック死するか、という赤裸々セックスを語り出したのです。

「アルゼンチンの人なんだけど、すっごく情熱的でさ。やっぱラテンは違うよ! あそこもアルゼンチンだったし(笑)」

 なんて親父ギャグをかましてケラケラ笑っていました。しかし、席へ戻ればお客さんから「本当に真面目でいい子だよね」といつものように食いつかれ、上品なユーモアでさらりと交わし…。いやはや、女は表面だけではわからないものです!

 以上、これだけ言うと「やっぱり女って怖い」とか「陰険だな」とか思われそうですが、女の子も無理な笑顔の反動でフラストレーションがたまっていることもあるので、身内同士のネタ話はご勘弁を!

 そして、何度も繰り返すようですが、スナックでも“普通の”人間関係を築けていれば口撃をされることはまずないので、疑心暗鬼にならないでくださいね☆
(文=山根麻弥)

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