本作には芳賀や多田の他にも、魅力的な演技者たちが大挙して出演している。皐月の同僚役として『特命戦隊ゴーバスターズ』（12年）等で活躍し、昨年は映画『ユダ－JUDA－』で大胆な濡れ場を披露した水崎綾女や、芳賀とは『仮面ライダーキバ』でも共演経験のある小池里奈らが顔を見せる。また男性陣も千夏の夫で粗暴な空手家・安藤乱丸役に榊英雄、ガールズブラッドのオーナー兼リングアナ役には山口祥之が扮し、それぞれがエキセントリックな演技で作品を盛り上げるほか、あの品川祐（品川庄司）もガールズブラッドのワケありトレーナー役として、TVでのお笑いタレントとはまったく異なる渋い役どころを演じている。
──監督の坂本さんもそうなんですが、キャストに仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズの関係者が大勢出演されています。特に小池里奈さんとは『仮面ライダーキバ』での共演もありましたし。
芳賀：でも里奈とは『キバ』の時はそんなに絡みのシーンがなかったんですよ。だから今回ちゃんと共演できたのは嬉しかったですね。それと今回アクション監督を担当された、こしげなみへいさんって方がいらっしゃるんですけど、以前とあるバーベキューの集まりに行ったとき、偶然こしげさんもいらっしゃっていて、私を見つけて「僕、以前（芳賀がレギュラー出演していた）『Sh15uya（シブヤフィフティーン）』（05年）でアクションの手伝いをやっていたんだよ」っておっしゃって、そのときに「また何か一緒にできればいいね」っていう話をしてたんです。その後しばらくして今回の『赤×ピンク』のお仕事が入って（笑）。特撮アクションが取り持つ縁みたいなものを感じますね。
──女性陣もさることながら、本作の男性陣も榊さん、山口さん、品川さんと個性溢れる演技陣が活躍しています。
芳賀：皆さん本当にすごかったんですけど、特に榊さんなんかは本番ではアドリブを連発していて（笑）、笑いが絶えなかったです。
──今後、女優としてチャレンジしてみたいことは？
芳賀：最近は舞台のほうにも力を入れていて、自分で脚本や演出も手がけているんですけど、つかこうへいさんの『熱海殺人事件 売春捜査官』は絶対に演じてみたいんです。『熱海殺人事件』シリーズの主人公、木村伝兵衛は男性キャラなんですけど、『売春捜査官』だけは女性が演じてるんですよ!! ぜひともやってみたいですね。
──今回の『赤×ピンク』でアクション開眼しただけに、以後もアクション作品への出演を期待したいですね。
芳賀：今度は剣を使ったアクションをやりたいですね。坂本監督はガンアクションとかの方がいいんじゃないとか言ってましたけど（笑）。あとはアクションじゃないんですけど、最近『きっとうまくいく』（09年）っていうインド映画を観まして、ああいう感じのハートウォーミングな作品もやってみたいと思いますね。
衝撃的なヌードシーンのみならず、しっかりと腰の入ったハリウッド級格闘アクションと、悩み苦しみながら前に進もうとする少女たちのドラマが一体となって邁進する娯楽作となった『赤×ピンク』。その極上の出来をぜひ劇場で確かめていただきたい。最後に、このインタビューを読んでいる皆さんに彼女からメッセージをいただいた。
芳賀：いっけん偏りがちに見える作品なんですけど、じつはすごくエンタテインメント性に富んだ映画なので、ぜひ作品を観に来て欲しいです。あと女の子にも観てもらいたいですね。女の子でもこんなにカッコよく闘えるんだよというところを、熱く感じてもらいたいです!!
（文＝テリー天野／写真＝辰巳ちえ）
■芳賀優里亜（はが・ゆりあ）
1987年東京出身。映画『どこまでもいこう』（99年）出演や『おはスタ』のおはガールを経て、2003年には『仮面ライダー555』で最年少 ヒロインを演じる。その後も女優として多くの作品に出演するほか、雑誌「セブンティーン」の専属モデルを務め、近年では自ら作・演出で舞台を務め るなどマルチに活躍中。
◆オフィシャルブログ「YUU LIFE」（http://ameblo.jp /yuria-haga/）
■『赤×ピンク』
性同一障害に悩みながら、非合法な地下格闘技イベントでファイターとして活躍する皐月。そんな彼女のもとに現れた女性、千夏は彼女の悩みを見抜 き、やがてお互いが惹かれ合う仲になるが、千夏の夫である空手家・乱丸が現れて千夏を奪われてしまう。千夏を取り戻し、自分たちの闘いの場を守る ために皐月たちは乱丸の一門に闘いを挑むのだが……。
監督／坂本浩一
原作／桜庭一樹（角川文庫）
脚本／港岳彦
出演／芳賀優里亜、多田あさみ、水崎綾女、小池里奈、山口祥之、桃瀬美咲、榊英雄、品川祐
配給／KADOKAWA（http://aka-pink.jp/）
公開／2月22日（土）角川シネマ新宿他全国ロードショー
※R15+
