視聴率が次々と大爆死! 全て短命、不毛の「死に枠」とは

1101iitomo_main.jpg※イメージ画像:フジテレビ系『森田一義アワー笑っていいとも!オフィシャルサイト』より

 『笑っていいとも!』(フジテレビ系)はあと半年続くというのに、巷はすでにその後番組の噂でもちきりである。プロ野球でいえば、まだペナントレースが終わっていないうちに来年の優勝チームがどこなのか予想している、そんな雰囲気に近い。だが、「人気番組の『後枠』『後番組』は往々にして失敗する」と、現役放送作家は指摘する。

「言うまでもないことですが、視聴者が前の番組と比較してしまうからです。特に今の視聴者は一度『つまらない』というレッテルを貼ったら最後、その『枠』自体を見なくなる傾向にあります」

 『いいとも!』の後番組はハードルが高いということか。さて、一度見てもらえなくなった“枠”は「死に枠」(しにわく)となるという。何をやっても当たらない不毛の時間と化すのだ。では、各局の「死に枠」はどこなのだろうか? まずは日本テレビから見てみたい。

「日テレだと月曜夜7時と火曜夜9時ですね。月曜7時では、一時期は開かずの金庫を開ける企画で人気だった『不可思議探偵団』⇒『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』(その後、特番化)⇒ロンブー田村淳を司会に据えたものの、視聴率5%で打ち切りとなった『赤丸!スクープ甲子園』と、3年の間に3番組も変わっています。また火曜夜9時枠は、24年間放送してきた『火曜サスペンス劇場』を終了させてバラエティにしたのですが、過去6年で7番組以上も変わっています」

 確かに火曜夜9時といえば、未だにあの『火曜サスペンス劇場』のCM前に入る「テテテ、テテテ、テーテー」というジングルを思い出す。復活しないものか。お次はTBS。

「TBSは火曜8時でしょうか。かつては『学校へ行こう!』で人気の枠でしたが、2008年から『バラエティニュース キミハ・ブレイク』(1年で打ち切り)⇒『お茶の水ハカセ』(1年半で打ち切り)⇒『教科書にのせたい!』(1年半で打ち切り)⇒『爆笑学園ナセバナ~ル!』(半年で打ち切り)⇒現在の『世界の日本人妻は見た!』と5番組が放送されています」

 8時といえば日曜に、ビートたけしととんねるず・石橋貴明が番組をやっていた時期があったような…。あれは夢だったのか。さて、フジテレビは?

「日曜夜9時でしょうか。2010年にバラエティから撤退し、『ドラマチック・サンデー』というドラマ枠にしたものの、『マルモのおきて』以外は目立った成績を残すことなく、今年から再びバラエティ枠に戻りました。しかし、4月スタートの『テレビシャカイ実験 あすなろラボ』も振るわず半年で打ち切り。現在は、『あすなろ~』の有名人が講義するという企画を拡充して『全力教室』という番組にシレっと変わっています。だがこれも視聴率は5%をウロウロ。提供スポンサーの花王もそろそろ堪忍袋の緒が切れるころではないでしょうか」

 テレビ朝日はどの枠も好調で「死に枠」はないとのこと。逆に、テレビ東京は「いろいろ変わりすぎて『死に枠』自体が把握できない」という。頑張れ、テレ東!

 言い訳になるが、取材中、番組タイトルを聞いても知らない番組が多く、裏付けに少し苦労した。テレビ界全体の失速によって、テレビ東京ではないが「死に枠」が目立たなくなっているのかもしれない。ドラマのほうは復調傾向(?)にあるが、『半沢直樹』(TBS系)クラスのヒット作は、もはやバラエティ界には生まれないのだろうか!?
(文=今井良介)

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