ネットユーザーも興味津々「いいとも珍事件簿」

※イメージ画像:フジテレビ系『森田一義アワー笑っていいとも!オフィシャルサイト』より

 32年間の歴史に幕をおろすことになった『笑っていいとも!』(フジテレビ系)。司会のタモリ(68)による突然の終了宣言は、国民的な関心ごととなり、ネット上でも「後継番組問題」や「誰が打ち切りを決めたのか」といった関連報道が相次いでいる。日ごろはテレビなどオワコンだと言い、アンチフジテレビの多いネットユーザーたちも『いいとも』終了には敏感に反応し、巨大掲示板には多くのスレッドが乱立している。

 特にネットユーザーたちが話題にしているのは、これまで『いいとも』放送中に起きた事件関連。何かと言えば“放送事故”という言葉が好きなネットユーザーならではの視点といえるだろう。たとえば、テレビフォンショッキングの冒頭、スタジオ観覧者の男性が、いきなりタモリの隣に座り、その後強制退場させられた回などは、まさに放送事故レベルで彼らの格好のネタとなっている。同じように、山崎邦正(現・月亭方正)がゲストの際に観客席から「年内で終わるって本当ですか?」と聞いた男性が、CM明けに人形になっていたシーンなどもよく語られている。

 また、一般人の乱入騒動のほかには、テレフォンショッキングに呼ばれたゲスト出演者たちによる珍行動もネタにされている。トークが止まらず43分も喋り続けた黒柳徹子やゴルフの予定が入っているので出演を断った志村けん。さらには寝坊で番組に遅刻した片桐はいり、そしてタモリと仲が悪いと言われていながら出演し、終始不機嫌な様子を見せていた小田和正などなど。また、ゲストの泰葉が電話番号を間違え一般人につながってしまうが、タモリのノリで翌日にその一般人をゲストに呼んだというエピソードも『いいとも』事件簿として欠かせない有名な逸話だ。

 番組の中で放送されてきた数々のミニコーナーの中にもネットユーザーの関心を集める珍事件は多い。特に話題になっているのは、ウッチャンナンチャンとタモリが担当していたコーナー「タモリ・ウンナンの大発見」に送られてきた「聞くたびに中身が変わるCD」というもの。番組では実際にCDをラジカセに入れて流したのだが、市販されていたB’zのCDにもかかわらず、聞いてみると不気味な音が続く。観客も騒然とするほどの異様な音楽は、現代のネットユーザーたちの琴線に触れたようだ。

 このほかに番外編としてネットユーザーたちがネタにするのが、MEGUMIがテレフォンショッキングのゲストに呼ばれた際、関係者などから贈られてくる祝いの花束が1つしかなかったことといった、まさに珍事件。こうしたものの中には、橋田壽賀子にキスをした江頭2:50や、突然ビートたけしが乱入してレギュラー出演していた田中康夫のクビをいきなり締めたといったものが入るだろう。

 32年という長い歴史があれば、それだけ多くの事件が起こるもの。まして生放送ともなれば、ハプニングは付きものだ。そして、そこには、どんなハプニングに巻き込まれても常に冷静で、臨機応変に笑いに変えてきたタモリがいた。だが、爆笑問題の太田光が言っていたように、タモリというのは誰も予想できないようなことを平気でする危ない芸人でもある。番組終了宣言後、その理由に関しては、「フジテレビ上層部による大ナタだった」という報道から「タモリの体調不良説」までさまざまあるが、突然の終了宣言とは、これまでハプニングに巻き込まれ通しだったタモリによる最初で最後のハプニングだったのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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