「爆烈お父さん」が封印される? BPOから『27時間テレビ』に“物言い”

※イメージ画像:『FNS27時間テレビ 女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる』オフィシャルサイトより

 9月3日、BPO(放送倫理・番組向上機構)内の「放送と青少年に関する委員会」が8月3日~4日にかけ放送された『27時間テレビ 女子力全開2013 乙女の笑顔が明日をつくる!!』(フジテレビ系)を第148回委員会で審議の対象にしたと発表した。

 BPOとは、2003年7月にNHKと民放各局により設置され、放送の言論・表現の自由の確保、視聴者の基本的人権を擁護、放送への苦情や放送倫理の問題に対応などを行う非営利、非政府の第三者機関。放送で人権の侵害をされた人の救済に当たる「放送と人権等権利に関する委員会」、放送や番組内容のあり方などを話し合う「放送番組委員会」、そして『27時間テレビ』を審議するという子供や若者に配慮した放送の適正化を図る「放送と青少年に関する委員会」(以下青少年委員会)の3つの委員会で構成されている。

 今回、青少年委員会が問題視したのは同番組内のコーナー『生爆烈お父さん27時間テレビスペシャル!!』だ。極楽とんぼ・加藤浩次がAKB48らメンバーたちに対し、両足を持って回るジャイアントスイングなどのプロレス技をかけ、頭を踏んだり蹴ったりする場面が複数回あったため、同委員会に「度を越している」「暴力行為であり不快」などの意見が多数寄せられていた。それを受けた同委員会が「振り回される側が了解していても見ている人を不快にさせる」「アイドルたちに対しての殴る蹴るは大丈夫と認識されるのか」「台本通りの演出だったのかどうかが知りたい」などの討論を行った結果、審議入りすることが決定した。委員会では、次回にも当該局の番組企画意図・制作方法などについて意見交換を行う予定だという。

 当コーナーは、放送直後からもネット上でも話題となり、特に加藤がAKB・渡辺麻友の頭部を蹴ったことに対しファンから「加藤殺す」「まゆゆに蹴り入れやがったな、殺すぞてめえ」などの殺害予告が飛びかい、一般視聴者たちからも「あれはやり過ぎ」「不快だった」など批判が浴びせられていた。

「『爆烈お父さん』は同局の長寿バラエティー番組である『めちゃ×2イケてるッ!』の人気番組コーナーのひとつです。27時間テレビでもAKBが出演するとあってメインに据えられていましたが、それが仇となったのでしょうか。『めちゃイケ』は、以前放送されていた各キャラクターが描かれたサイコロを転がし、出た目のメンバーがハリセンで叩かれる『THE STAMP SHOW』がいじめを助長すると局にクレームが入ったといわれ、しりとりで負けたメンバーが袋叩きにされる罰ゲームがある『七人のしりとり侍』が青少年委員会から“物言い”が付き打ち切りになっています。番組が度々青少年委員会の審議に入っていたこともあり、前々から目をつけられていたかもしれませんね。

 しかし、この問題は「爆裂お父さん」を含む『めちゃイケ』だけの話ではなく、バラエティー全体へと波及する恐れもあります。フジテレビに限らず、各局制作陣も今回の件で萎縮するようなことになれば、当り障りのない番組が乱立することになり、視聴率低下につながる可能性も…。こういった問題は明確な線引きが難しいとは思いますが、ただでさえテレビ離れが叫ばれる昨今なので、自粛ムードが蔓延するのは避けたいですね」(芸能ライター)

 番組終了後、渡辺は自身のブログで無事であることをアピールし、加藤のフォローをしていた。また関係者たちからは「(加藤は)本気で落ち込んでいる」など、反省している様が伝えられていたが、思わぬ形で波紋を呼んでしまっている。2013年の『27時間テレビ』は平均視聴率も歴代最悪の9.8%と低視聴率に終わり、その上BPOからも“物言い”を受けたとあって、フジテレビにとってふんだり蹴ったりの結末となったようだ。
(文=木嶋陽介)

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