たけし暴走!? 中絶騒動のオリラジ藤森に過激発言

※イメージ画像:『物語』/著:北野武/ロッキングオン

 3月30日に放送された『オールスター感謝祭』(TBS系)に出演したビートたけし(66)が生放送中にオリエンタルラジオの藤森慎吾(30)の「中絶騒動」について触れ、話題を集めている。

 同番組の中でクイズの出題者として登場したたけし。そのコーナー「ビートたけしの乱入ピリオド」で勝ち残ったのが、藤森の相方である中田敦彦(30)だった。しかし、賞金を獲得するチャンスを得た中田が、なぜか次点の新垣結衣(24)に「全額譲ります」と発言。その言葉に対して、たけしが、「お前女孕ませて金取られたんだろ?」「払え」と言い放ったのだ。

 昨年、「週刊文春」(文藝春秋)により、「モデルを妊娠・中絶させ、慰謝料として350万円を支払った」と報じられた藤森。中田はたけしの爆弾にすかさず「オレじゃねぇーわ!」とツッコんでいたが、スタジオは騒然となり、カメラに映された藤森も黙って目を閉じるしかない様子。総合MCを務めていた今田耕司(47)も必死で笑いに持っていこうとするが、オリラジ2人はそれぞれ自分の身を守るのに必死のようで、それどころではないようだった。

 それでも、たけしが退場する段になると、今田が藤森に手招きし、「たけしに突っかかれ」と指示を出しているシーンが見切れた。今田に言われた通りに藤森がたけしに近寄って行ったシーンでCMに入ったが、そうすることで一応のオチがついた格好になった。黙って座っているだけの藤森に対して、「芸人ならリアクションをしろ」という今田の教えだったのだろう。もちろん、結果的に言いっ放しになってしまったたけしの過激なボケを成立させるのに、藤森のリアクションが必要だという、MCの使命感が働いたともいえる。

 文春の報道以降、スポーツ紙やテレビなどではほとんど後追い報道のなかった藤森の中絶騒動。そこには吉本の“根回し”があったと言われており、ワイドショーでも日ごろ歯に衣着せぬ発言のコメンテーターたちが「プライベートなことですからねぇ…」と言葉を濁していた。そうしているうちに、どこかうやむやになっていた藤森の中絶騒動だったわけだが、先日のたけしの発言によって再び注目を集めた。もちろんオリラジの2人にとっては歓迎すべきことではないだろう。だが、そうした事なかれ主義ともいえる藤森に対して、たけしは思うところがあるのかもしれない。

 1986年の「フライデー襲撃事件」のきっかけとなった女性との間に、事件後子どもができたたけしは、認知はしてないものの養育費を払い続けているという。そんなたけしにしてみれば、正式なコメントも出さず逃げ回っているだけのような藤森の姿勢は腑に落ちないのではないだろうか。また、そうすることで騒動の沈静化を図ろうとする吉本や、その吉本に追従するテレビ局の態度というのも気に入らなかったに違いない。だからたけしは作為の出来ない生放送で爆弾を投下したのだろう。

 それにしてもオリラジの2人はもう少しうまく立ち回れたのではないか。そもそも中田が新垣に賞金を譲るというつまらない発言をしていなければ、たけしの爆弾もなかっただろう。また、たけしの爆弾を中田があえて自分で謝罪するというボケで処理してもよかった。「オレじゃねぇーわ!」では、隣の藤森もどうすることもできない。爆弾によってあらわになったのは、オリエンタルラジオというコンビの未熟さなのかもしれない。

 中絶というデリケートな話題だけに、たけしの発言を快く思わない視聴者も多かっただろう。それでもタブーに切り込むたけしはさすがだった。そしてその爆弾の中には、芸人として中絶騒動にどう向き合うべきか、というメッセージがこめられていた。もちろんそれは藤森個人の問題ではない。コンビとして、どう処理するかということだ。だからたけしも中田に向かって騒動に触れるというボケをかましたのだろう。今後、オリラジが中絶をネタにイジられることは少ないだろうが、今回のように突発的な事故もありえる。そこでどう対応できるかが芸人の見せ場なのは間違いない。筆者としては、もちろんそこに笑いが生まれることを期待する。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

men'sオススメ記事

men's人気記事ランキング

men's特選アーカイブ