誰にだって物語はある…「自分史上」最低のセックス

※イメージ画像 photo by PJB from flickr

 人間30年40年生きていれば、思い出したくない記憶・なかったことにしたい記憶の1つや2つあるだろう。小学校の頃に給食が食べられず放課後まで残されたことや、中学の頃に罰ゲームで女子に告白させられフラれたこと。深刻なところでは受験や就職の失敗。日常的なところではコンビニや飲食店で会計時に財布を忘れたことに気付いたなど、挙げればキリがない。

 ほとんどの人は、それらの記憶に鍵をかけて、心の奥深い部分に封印するものだ。いやな記憶をしょっちゅう思い起こすとストレスが溜まってしまう。つまり、忘れるということは、一種の自己防衛本能ともいえる。昔の恋人との思い出も、罵り合った修羅場には鍵をかけて封印し、楽しかった思い出だけが生き続けるよう、記憶を美化する傾向が強いはずだ。
 では、セックスはどうだろう? オナニー時に過去のセックスを思い出しながら手淫する際、ほとんどの人は「自分史上最高の美女とのセックス」を脳内再生するはずだ。そのほうが興奮も増し、気持ち良くイケるのだから当然である。そして、「自分史上最高のセックス」ばかりを連続再生していると、逆に「自分史上最低のセックス」の記憶はどんどん薄れていく。しかしここではあえて、「自分史上最低のセックス」を思い出してみよう。なお「自分史上最低のセックス」の定義だが、醜女とのセックスが最低セックスという意味ではない。容姿の秀劣に限らず、内容的に「あのセックスは最低だった」というエピソードがあるはずだ。

 さっそく一般男性から意見を募ったところ、多かったのが「ティッシュ」にまつわる最低セックスである。「オナニーの際、ペニスを拭ったティッシュが裏スジについていたらしく、フェラ前(女性に)そっと剥がされた」「指マンしようと小陰唇を広げたら、トイレットペーパーのカスが付着していた」などなど。これらは、事前にシャワーを浴びなかったがために起きた悲劇である。もちろん、毎度のセックスが、事前にシャワーを浴びられる環境とは限らないので、オナニー後ペニスを拭う際は総仕上げにウェットティッシュや赤ちゃんのお尻拭きを用いるとよいだろう。女性の陰部にトイレットペーパーカスが付着していた際の対処法だが、「カスがついているぞ」と宣告する男性は少数派で、大半の男性は「気付かれないようにそっと剥がす」とのことだった。セックス紳士的振る舞いである。ただし、クンニリングスに対するテンションはモーレツに下がるようだ。やむを得ないだろう。

 生理現象のため最低セックスになったケースもあるようだ。「潮を吹かせようと一心不乱に指マンしていたら、潮ではなく尿が出てきた」「初めてアナル舐めしてもらった際、舌の刺激に肛門が反応してしまったのか、放屁してしまった」など。潮吹きに関しては、「指マン中に何故か尿意が沸く」という女性もいるので、自宅のベッドは避けたほうが無難である。潮吹きプレイは浴室で専念し、ベッドでは尿意を伴わないノーマルプレイに集中すべきだろう。放屁は、こればかりはガマンあるのみ! しいて言えば、セックス直前はイモ類の摂取を控えるくらいしか予防策が見当たらない。

 上記に比べて、笑えないのが「第三者を巻き込んでしまったパターン」である。「実家でのセックスを家族に目撃された」「アオカンを通行人に目撃された」「コンドームが膣内ではずれてしまい、病院の世話になるハメに」など。目撃系は、今後はとにかく場所に気をつけるしかないだろう。実家暮らしなら、多少金がかかってもラブホテルを利用する、アオカン欲は封印し、屋内で興奮できるプレイを模索するなど、いくらでも工夫できるはずだ。コンドームの脱落は、「予防策として生ハメを推奨!」というわけにもいかないので、しっかり根元まで装着する・激しすぎるピストンは控える・結合部が見えやすい体位で行なうなど、細心の注意を払っていただきたい。

 ここに挙げたのは、最低セックスエピソードのごく一部である。各々、最低セックスなど思い出したくもないだろうが、あえて振り返ってみることで、ふんどしを締め直すきっかけになるはずだ。気の緩みから最低セックスをしてしまわないよう、じゅうぶん留意していただきたい。
(文=菊池 美佳子)

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