合コンでの思考や哲学は営業マンのそれと酷似!? 合コンで学ぶ顧客獲得テクニックとは

※イメージ画像 photo by Michael Cerasoli from flickr

 もし筆者トビタがハプニング的に会社の社長に就任したなら、営業部の若手にこんな研修プログラムを用意する。――毎週金曜は合コンで営業のノウハウを学べ――

 というのも、合コンでの思考や哲学はあまりに営業マンのそれと酷似しており、しかも合コンは結果が明確(うまく行けばヤレる、ダメならフラれる)なため、営業テクニックを鍛えるにはこれ以上ない場となるのだ。以前、営業をかじったことのある筆者はよく分かる。

 ではどんな部分が共通しているのか。そして、合コンからどのような顧客獲得テクニックを学べるのか。今回はそれを深掘りしていきたい。

 営業マンがまず行うものといえばマーケティング。自分の商品に対する需要がどこにどれくらいあるのか。どの取引先に売り込めば成功する確率が高いのか。無論、成功確率が高くても売り上げが低かったり、こちらの投資が大きすぎて損失が上回ったりすれば意味がない。これは合コンとまったく同じ。ズラッと並んだ参加者の女性に対し、自分の需要がどこにあるのか。どの女性に売り込めば性交する確率が高いのか。無論、性交確率が高くてもまったく奮い立たないビジュアルだったり、貢ぎまくったりすれば意味がない。

 そして、マーケティングをする上で重要なことがある。それは「自社の製品を理解する」こと。その製品はどんな性能を持っていて、長所や魅力、個性がどこにあるのか、これをしっかりと把握しなければ、正しいマーケティングにはつながらない。これは合コンでもまさに同じだろう。自分という人間を客観的に分析し、長所や魅力、個性がどこにあるのか。合コンを何度もやっていると、自分が相手からどう見られがちなのか、女性から見てどんな存在なのかがよく分かってくる。

 正直なところ、仕事に関してはモチベーションが上がらない時があるから、マーケティングや自社製品の理解の大切さを自分から進んで勉強するのは気が進まない。しかし、合コンとなると話は別。そこには「上司から褒められる」なんていう生半可なご褒美ではなく、「セックス出来る」という実に分かりやすい結末が待っている。となると、当然躍起になるから、マーケティングや自社製品(自分)を理解することの大切さが見えてくる。

 そしてアプローチ。アプローチはまさしく営業で言うところのプレゼンだ。顧客(女性)が何人もいるのと同様に、競合(男性)も何人もいるのである。女性からしたら何人もの男が自分にプレゼンしている状況。ここで、どのように自分を売り込めるかが大切になってくる。そう、完璧に営業マンの行動と一致するのだ。

 自社の製品が高スペックなら、つまり自分のビジュアルが高ければストレートなプレゼンでも通用するが、しかし、田舎からやってきた中小企業となるとスペックだけで勝負できない場合がある。そこでプレゼン方法の工夫が必要になってくる。

 イケメンに対抗できるモノ。会話、あるいは細かな気配り、みずからの年収やバックグラウンド。製品その物の機能とは別の部分で売り込む。「当社は問題が起きても随時対応できるよう24時間体制でカスタマーセンターを設けております」なんて言葉は「俺は相手のどんなツマラナイ話にも、チャンと耳を傾けて真剣に答えるよ」という合コンでのやさしさアピールにつながる。

 そして、営業と合コンにおける最大の共通点は「最終局面のデリケートさ」だ。営業でいえば、最後にどんなダメ押しの提案をするのか、販売価格を下げるのか、あるいは何かを提示して相手の信頼を確かなものにするのか。この、最後の攻防はそのまま合コンにも通じる。どんな一言をチョイスして相手を口説くのか。身銭を切って相手の印象を良くするのか。

 何より、この最終局面でふいに発した言葉が一気に状況を悪化させる可能性もある。あと一押しだからこそ、あまりに乱暴にアプローチしてしまうと顧客も女性も一気に不信感を抱き、ゼロからのスタート、あるいは完全に破談になる可能性もある。最終局面での緊張感、そして言葉の選び方、どうクロージングさせるかは、営業も合コンも一緒である。

 さらに、契約成立(ベッドイン)へと至らなかった場合、いかに今後の展開をスムーズにさせるかも共通項。「○月○日にもう一度うかがう」「新たな○○の資料を持ってくる」など、次回の具体的な展望をどれだけ明確に伝えられるか。これは合コンも同じで「じゃあ再来週あたり○○行こう」という約束を取り付けられると、その後の展望が開けてくる。

 営業マン向け合コン研修をどこかの企業が導入しないだろうか。ちなみに女性社員も合コンから「男性の惹きつけ方」あるいは「印象を悪くしないかわし方」を学べるので、これも営業として重要な能力を身につけられると思うのだが。 

(文=トビタシンイチ/ブログ「トビタシンイチのエロ探検記」)

トビタシンイチ
日夜エロネタを求めて風俗・合コン・ナンパに挑むエロ探検家であり、ライターとしてさまざまな失敗エピソードを紹介している。国内有数の早漏男子という顔も持つ。

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