【タメになるかもしれないエロ知識】

マン屁(膣ナラ)とロストペニス(バルーン現象)は別物

※イメージ画像:『おなら大全』作品社

 セックス中に女性の陰部から、「プーッ」「ぶぅ~」など、音が発生することがある。なんの予備知識もなく、初めて聞いてしまった男性は、「セックス中に放屁をするなんて!」と、ドン引きしてしまうかもしれない。しかし、それなりに経験豊富な男性なら、これは放屁ではないとわかるはずだ。そう、セックス中に陰部から発生する音は、俗にいう「マン屁」(膣ナラ)と呼ばれる類のもの。

 本物の屁との違いは、まず発生する部位が違う。肛門から出るのが屁で、膣から出るのがマン屁(膣ナラ)。後者のほうは、体内でガスが発生しているわけではないので、当然のことながら悪臭が漂うこともない。

 マン屁(膣ナラ)は、膣内に入った空気が出る時に鳴る音のこと。ペニスを挿入する際に、微量といえども空気が一緒に入るのだから、マン屁(膣ナラ)の発生は、ある意味不可抗力の現象なのだ。というと、「ペニスが細いから、隙間から空気が入るのか?」と、意気消沈してしまう男性もいるが、ペニスサイズとマン屁(膣ナラ)の発生は無関係なのでご安心頂きたい。巨根男性でもマン屁(膣ナラ)を発生させることはある。

 そもそも、膣はペニスに合わせて伸縮する器官なので、どんなペニスと膣でも、それなりにフィットするようになっている。よって、「膣の締まりが悪いから、隙間から空気が入る」という俗説も間違いである。膣圧の強い女性でもマン屁(膣ナラ)は鳴るし、膣圧が弱い女性が鳴らないこともある。ただし例外もあり、出産直後は膣内の空洞が広くなっているため空気が入りやすくなり、マン屁(膣ナラ)が発生しやすいと言われている。

 理屈はどうであれ、女性にとってマン屁(膣ナラ)が恥ずかしい現象であることはまぎれもない事実。マン屁(膣ナラ)をして誇らしげな表情を浮かべる女性などいないはずだ。

 なぜ恥ずかしいのか、理由はただ一つ。マン屁(膣ナラ)現象がまだそれほど一般的に知られていないためか、「男性に、本物の屁と勘違いされていないだろうか?」という懸念によるものである。

 オトコとしては、「女性が気にするほどは気にならない」といったところか。それなりにセックス経験を積んでいれば、本物の屁でないことくらいわかっていることだし、むしろ恥じらう女性の姿が興奮材料になることもある。

 なお、「膣に空気が入る」というと、ロストペニス(バルーン現象)と混同してしまう人もいるが、それとこれとは別物である。

 ロストペニス……身の毛もよだつような言葉だが、ペニスを失うわけではないのでご安心を。
 
 女性が最高に感じている状態になると、次のステップとして、膣はまもなく射精されるであろう精子の受け入れ体制を整えようとする。まず、ペニスが抜けてしまわないように、膣の入口がキュッと締まる。そして、それと逆の現象が起きるのが膣の奥。さながら風船のように膨らみ、膣内を広げて、精液を溜め込みやすくさせるのだ。いやはや、まさに女体の神秘である。

 女性自身は、「いま、私の膣の奥が広がっているわ」と体感することはないが、男性側は直前まで感じていた締めつけ感が急になくなり、ペニスを空洞の中に挿れているような感覚になる。これが、ロストペニスだ。バルーン現象とも呼ばれている。

 つまり、挿入中に、「緩くなったな?」と思ったら、それは女性が最高潮に感じている証しなのだ。かといって、イコールそれが「オーガズムに達した」とまでは言い切れないが、それなりに自信を持っていいだろう。

「膣の奥が風船のように広がるのなら、マン屁(膣ナラ)もガンガン出るのでは?」という人もいるが、マン屁(膣ナラ)は最高潮に感じている時でなくても発生する。よって、マン屁(膣ナラ)の段階で「俺はテクニシャンだぜ!」とガッツポーズをするのは早い。ペニスの根元が締め付けられ、そして膣の奥が緩くなったと感じた時まで、そのガッツポーズは封印しておくべきである。
(文=菊池 美佳子)

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