「ナマ挿入をゴリ推しするのはSとは違う!」勘違い系の自称S男性に多いセックス傾向とは!?

sadokoushaku0201.jpg※イメージ画像:『サド侯爵―その生涯と作品の研究』
著:ジルベール レリー/筑摩書房

 職業の多様化により、増えてきたのが「自称~」という人種の人々だ。「自称ミュージシャン」「自称漫画家」など、職業や社会的地位を、自身の独断で名乗る場合を指す。例えば、ミュージシャンだけでは食べていけず、アルバイトで生計を立てているケースなどは、第三者からは「自称」と見なされるだろう。「売れないミュージシャン」「売れない漫画家」などと言われることもあり、本人は歯痒い思いをしていることだろう。

 この「自称」は、職業や社会的地位に限ったことではない。性の世界にも、「自称~」が存在する。特に多いのが、SMの世界において。なお、SMといっても、本格的なハードSMのことではない。我々一般人も、セックスにおいて、自分はSっぽいかMっぽいかを話題にすることがある。最近は、「草食系男子」という造語の流行によって、M派男性が増えつつあるという印象を受けるが、日常生活とセックスは別物である。普段は草食系M気質だとしても、セックスにおいては「責めるほうが好き」という男性は少なくないだろう。

 そういった、セックスS派男性にとって、女性の「私って、どっちかっていうとMっぽいかも」という言葉は、非常に魅力的である。中には、あえてS系の女性を責めてみたいという人もいるとは思うが、手っ取り早く性的嗜好を満たすには、S派男性はM派女性にアプローチしたほうがベターだろう。M派女性にとっても、積極的に主導権をとってくれるS男性は、魅力的に映るはずだ。

 しかし、M派女性に聞いてみると、Sの意味を勘違いしている「自称S」男性も存在するとのこと。もっとも多く挙がったのが、「ナマ挿入をゴリ推しするのはSとは違う!」という声。性感染症などへの感染がより身近になった現代においても、ナマ挿入を望む男性はまだまだ存在するようだ。確かに、コンドーム装着のわずらわしさや、実際の挿入感を考えると、ナマのほうが良いという持論もわからなくはない。また、女性側からナマ挿入をリクエストされることもあるだろう。よって、自己責任の範囲内でナマ挿入を楽しむのは大いにけっこう。だが、相手がゴム装着を希望しているのを無視してのナマ挿入は、単なるワガママである。

 次に、相手女性がNGの行為を執拗に求めるのも、勘違いSの典型的パターンのようだ。もちろん、「初めは苦手だったプレイが、回数を重ねるごとに段々良くなっていく」ということもあるので、これは非常に判断が難しい。しかし、どうにもこうにも無理、というプレイは誰しもあるだろう。アナルへの指入れ・排尿行為を見せる・スパンキングなど、どれがOKでどれがNGかというのは、人それぞれ個人差があることなので、「嫌よ嫌よも好きのうち」なのか、本当に嫌なのか、一度自身のプレイ方針を振り返ってみることも重要だろう。

 上記とは逆に、「何もしない」タイプの自称S男性も存在する。男性版マグロといったところだろうか。横たわっているだけで、相手女性に黙々とフェラチオをさせるだけだったり、結合の際もやたら騎乗位を好んだり、挙句の果てには無反応だったりすると、どんなに奉仕タイプの女性でもさすがに引くとのこと。どうしてもマグロに徹したいというのだったら、せめて上等なマグロであるべきだろう。女性が「上に乗らずにはいられない!」というくらい立派なペニスだったり、「いつまでも舐め続けていたい」と思わせるような美味なペニスでない限りは、マグロスタイルを見直すべきではないだろうか。

 なお、勘違い系の自称S男性がいれば、自分自身を「Mっぽい」と勘違いしている女性もいるようだ。「責められるのが好き」「辱められるのが好き」というので、いざ誘ってみると、ディープスロートや顔射、精飲などに抵抗を示すことが多々ある。「Mというのは嘘だったのか?」と腹立たしい気持ちにもなるが、おそらく彼女たちは「精神的M」ということなのだろう。女性は特に、脳で興奮を得る人が多いので、このタイプはざらに存在する。言葉責めなどで羞恥を煽るプレイが好きなS派男性とは相性が合うかもしれないが、そうでない場合は騙された気分にさせられるだろう。よって、飲み会の席などで、「Mっぽいかも」発言をする女性がいたら、精神的Mなのか、肉体的Mなのか要確認である。

 以上を踏まえると、「自称」とはいかにあてにならないものか、ということがよくお分かり頂けたかと思う。そう考えると、SかMかという話題になった時は、「自分ではわからない」「どっちでもない」と答えるのが無難なのかもしれない。
(文=菊池 美佳子)

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