オナニーとセックス、オトコにとって肉体的快感が強いのはどっち?

※イメージ画像:左『誰も教えてくれなかった 飽きない!セックス』/角川マーケティング
『ゆっくりしていってね』/コアマガジン

 世の中には、似ているようで違うものが多数存在する。食べ物でいえば、「そうめん」と「冷や麦」、「焼き肉」と「バーベキュー」など。因みに、そうめんは直径1.3ミリ未満。冷や麦はそれ以上という線引きである。焼き肉のほうは、焼きながら食べるのが焼き肉で、バーベキューは意外にも、焼き終えた後に食べるものだとか。また、最近は特に「耐震」と「免震」の違いにも注目が集まっている。耐震は、建物の構造自体を強化することによって、地震によって壊れないように工夫された建物。免震は、地盤と建物の間に特殊な装置で層を設け、揺れが建物に直接伝わらないように設計されている。

 性においても、似ているようで違うものは意外と多い。まずはイラマチオとディープスロート。前者は、男性主導で、女性の口の中にペニスを入れ、女性の頭部を手で持つなどしつつ、腰を前後させて、ペニスを出し入れする行為を指す。なお、「イマラチオ」と誤読されることが多いが、正式には「イラマチオ」である。後者のほうは、イラマチオの発展型といえるだろう。喉奥にまで押し込み、喉の締まりによって性的快感を得る行為である。

 また、緊縛師と女王様も、似ているようで別物。前者は、緊縛の技術をもって、縛ることを生業にしている縄師のこと。稀に、ムチを用いたスパンキングなどを取り入れることもあるが、基本的には緊縛以上のことは行わない。そういえば、筆者自身も何度か緊縛教室に出入りしたことがあるのだが、浣腸やアナルバイブなどは一切なく、言葉遣いも、決して縛られる側がへりくだるという雰囲気ではなかった。対する女王様は、SMプレイ全般を行なう人を指す。緊縛は、SMプレイの一環という考え方である。

 ほか、ペニスとバイブレーターも同じではない。バイブを使用する女性に話を聞くと、「バイブを使用している=ペニスは要らないんでしょ?」「バイブオナニーしている=ペニスに飢えている」と誤解されがちだが、全く切り離している! と憤慨することが多いようだ。確かに、オトコ側とて、女性器とオナホールは別物と捉えている人がほとんどだろう。

 では、オナニーとセックスはどうだろうか? 言うまでもなく、もちろん全くの別物である。とはいえ、最終的に到達するところが「射精」である、という部分では一致している。最終到達点は同じであるオナニーとセックス……いったい何が違うのだろうか? 

 むろん、オナニーは1人で行ない、セックスは女性と2人で行なうものである、という明確な違いははっきりしている。しかし、繰り返すようだが、「射精」という最終到達点は一緒である。では仮に、「一生オナニー禁止」と「一生セックス禁止」は、どちらが辛いのだろうか? 

 一般男性に意見を求めたところ、ほとんどの人が「一生オナニー禁止のほうが辛い」と回答した。確かに、オナニーのほうが気楽にオーガズムを得られるというメリットがある。セックスは、相手に対する気遣い等も必要になってくるので、気軽に楽しむというわけにはいかないだろう。

 しかし、理由はそういったメンタル面だけに限ったことではない。「肉体的に得る快感は、セックスよりもオナニーのほうが強い」と答える男性は少なくない。さらに、快感の度合いとしては、「自ら行なうオナニー>女性に施される手コキ>女性に施されるフェラチオ>女性器への挿入」という図式に、多くの男性から同意が得られた。自分を気持ち良くするポイントは、やはり自分が1番よく分かっているということだろうか。また、女性器への挿入よりも、フェラチオや手コキのほうが、肉体的快感が強いという部分にも驚かされた。

 とはいえセックスは、肉体的快感のためだけに行なうわけではない。満足度や興奮度という観点では、オナニーよりもセックスと答える人がほとんどである。オナニーとセックス、バランス良く楽しめれば、それがベストであろう。
(文=菊池 美佳子)

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