生理中のセックス、肯定派と否定派それぞれの言い分

 女性をセックスに誘ったところ、いまいちノリが悪いということがある。理由を尋ねてみると、「生理中」とのこと。これを受けて、男性の反応はふたつに分かれる。「じゃあ仕方ないね」とペニスを鎮めるタイプと、「関係ないじゃん」と果敢に挑むタイプ、さて貴方はどちらだろうか? 

 前者のタイプは、圧倒的に「血を見るのが苦手」という人が多い。確かに、生理中の女性の局部というものは、日常のちょっとしたケガとは比べ物にならないくらいの出血量で、シーツ類だけでなく、ペニス自体も真っ赤に染まってしまう。話を聞いた男性からは、「行為後、膣から引き抜いたペニスがまるで明太子のようになっていてビックリした」「衛生上よくない気がする」などの声が上がった。

 しかし、生理中のセックス肯定派男性の中には、むしろその経血に興奮を得るという人もいた。「血まみれ状態で営むセックスに、なぜか異様に興奮を覚える」「経血独特の『ぬめり』の感触がたまらない。愛液とは全く別物」という理由からだという。そう言えば、女性のナプキン交換シーンや使用済生理用品に萌えるというマニアックな嗜好を持つ男性も存在し、そういったニーズに合わせた風俗店やアダルトビデオもあるので、隠れ生理フェチというのは、もしかしたらさほど珍しくはないのかもしれない。

 経血がどうのこうのではなく、「生挿入や膣内発射ができるのが、生理中のセックスの醍醐味である」という意見もある。だが、「生理中は妊娠しない」というのは都市伝説のようなもの。一般的には、排卵と生理は起こる時期が違うので、生理中は妊娠しないと言われているが、生理中でもなぜか排卵が起こることもある。また、膣内発射した精子が、次の排卵まで生き続ける可能性もゼロではないようだ。いずれにせよ、生理中に妊娠する確率はゼロではないので、生挿入や膣内発射目的で生理中にセックスを行うのは控えるべきだろう。女性陣からも、「生理中? じゃあ中出しできるね!」と瞳を輝かせる男性にはへきえきする、といった声が多かった。

 女性側の考えはどうなのだろうか? 「生理中は性欲が旺盛になる」という説もあるが、これに異を唱える女性もいる。「セックスは嫌いではないが、生理中は性欲が湧かない」とのこと。理由としては、下痢など肉体的な不調から、「セックスどころではない」という現実的な意見を筆頭に、「出血している局部を見られたくない」「生理用品を着けている姿を見られたくない」「むくんでいる体を見られたくない」という、デリケートなものも寄せられた。「その恥じらう姿がたまらない!」という部分にフェチズムを見出す男性もいるかもしれないが、その願望は封印しておいたほうが無難だろう。

 もちろん、生理中のセックス肯定派女性も存在する。ただし、「クンニリングスは控えてほしい」という女性がほとんどだった。「生理中でも、入口部分を軽く舐める程度だったら気にせず行う」という男性もいるが、「生理中のセックスはイヤではないが、クンニリングスは恥ずかしい。クンニ直後にディープキスされた時はさすがに引いた」という女性も。生理中のクンニリングスは、衛生面への配慮からも、避けたほうがベターかもしれない。

「クンニリングスなどの局部への刺激は、最低限にとどめなければ」となると、責める部位は自ずとバストへ向かってしまう。それは決して間違いではないのだが、気をつけなければならないのは、同じ部分ばかりに刺激を与えてはいけないということだ。「乳首だけを集中的に責められ、ついには痛みが生じた」という悲痛な体験を訴える女性もいた。バストについては、乳首・乳輪・乳房をまんべんなく責めたいものだ。

 生理中のセックスに対する双方の考えが一致していれば、問題はないだろう。しかし、「俺はセックスしたいが、カノジョの生理痛が重いのでセックスできない」「カノジョは生理中も性欲旺盛だが、俺は血を見るのが苦手だ」など、どちらかが抵抗感を持っている場合は、あえて挑む必要はないかと思う。1週間もたてば、いずれ生理は終わるものだ。むしろ生理後のほうが、解放感からか性欲が高まるという女性も存在する。1週間のガマン期間によって、よりセックスが盛り上がるという効果も期待できるかもしれない。

(文=菊池 美佳子)

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