離婚原因の5分の1がSNS!? ネット上の甘い誘惑

画像はイメージ画像『フェイスブック 若き天才の野望』
著:デビッド・カークパトリック 、解説:小林弘人、翻訳:滑川海彦、高橋信夫

 アメリカ婚姻関連弁護士学会(AAML)が全米で行った最新調査によると、離婚カップルの5分の1が名指しでFacebookを離婚の一因に上げており、離婚調停でSNSでのやり取りを証拠に利用したと答えた弁護士も86%に上った。また、訴訟に携わった弁護士の66%がFacebookを証拠資料として使用したという。

 アメリカでは成人の、これまた5人に1人がFacebookを浮気目的に使用しているとも言われているが、そもそもFacebookは異性との出会いを求める若者の間で爆発的に広まったWebサイトだ。このサイトの成り立ちを題材にした映画『ソーシャル・ネットワーク』でも、Facebookが「女の子にモテたい、知り合いたい」という不純(?)な動機により、ハーバード大学の学生向けSNSとしてスタートする様子が描かれている。さらに、Facebookの特徴は「実名制」にある。名前や出身・在学校はもちろん、プロフィール画像、電話番号までもリアルな情報を登録するという風潮が根付いている。そのため、もう連絡を取らなくなってしまった知り合い……とりわけ昔の恋人を探し出し、再び恋に落ちてしまい、現在のパートナーと破局するという人が驚くほど多いのだ。アメリカの人気ドラマ『デスパレートな妻たち』に出演していた女優エヴァ・ロンゴリアも、バスケットボール選手の夫がFacebookで知り合った女性と不倫関係になってしまったために、離婚を決断したと報じられている。

 日本でも同様の事態がSNSを舞台に起こっている。彼氏とmixiが原因で大喧嘩し、破局に至ったというUさん(27)にお話を聞く機会があった。

「彼がmixiのアカウントを2つ持ってたんですよ。もう1つのアカウントを見つけたのは、ケータイ見たからなんだけど。それで足あとみたら、元カノのページに頻繁にアクセスしてるわ、彼女はいないことにしてるわ、ほかの女とエッチなメールはしてるわ。で、問いつめたらアッサリ認めて、なんとなく、クセみたいなもんだからって言ったんですよ。ケータイ見る方が悪いって」

 もちろん、mixiで浮気相手を探すのは男性だけではない。女性もmixiはもちろん、GREE、モバゲーで本命の彼氏や浮気相手を見つけるケースが増えている。こうしたサイト経由でやり取りを始めた相手とは、信頼関係を構築するのに時間がかかるように思えるが、男女の関係はそう単純ではないようである。

 2011年1月の米国の雑誌2誌による意識調査では、女性の80%、男性の58%がFacebookなどのSNSにより、カップルがベッドインするまでの時間が早まっていると答えたという。この調査によれば、女性の70%と、男性の63%がデートの相手を探すのにネットを利用しているそうだ。ということは、ネットで出会ってデート、そしてベッドインという付き合い方が、アメリカでは控えめに言っても半数以上に認められているということになる。

 日本ではここ10年ほど「出会い系」にまつわる悲惨な事件が相次いで報道されているせいか、いまだ「ネットでの出会い」には抵抗がある人も多い。しかし、実際は人に言えないだけで、アメリカと同じようにかなりの数の人がネット経由で異性との出会いを求めているのかもしれない。統計こそないものの、mixiや「発言小町」などの意見投稿サイトでは、婚活ブームも手伝って、ネットで出会い、結婚にまで至ったというカップルの書き込みも多く見られる。mixiで知り合って結婚することは「ミク婚」と呼ばれるそうで、近年激増しているそうだ。当人が幸せなら出会い方など問題ではないと言いたいところだが、「出会い方がSNSだっただけに、ほかの女ともやり取りしてるんじゃ……」という不安を吐露する書き込みも目立った。

 アメリカでFacebook離婚が増えているなら、日本では「ミク離婚」が増えてもまったくおかしくない。不測の事態に陥らないためにも、とにかく、SNSでの自分の行動は自分が思っている以上に知人にバレやすいということを覚えておこう。個人情報を少しでも載せるなら、そこでは少なくとも実際の生活と同程度の警戒と慎重さが必要だ。そうは言っても、人間は誘惑に弱いもの。そして、SNSはパートナーのいる人にとって、「魅力的な異性との出会い」という甘い罠に満ちあふれている。うっかり足を踏み入れないのが、一番賢いのかもしれない。アナタのパートナーは大丈夫?
(文=ヨーコ)

出会い系で知り合った「根暗娘」に犯された。

 
是非ともお知り合いに。


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