セックス体験談|別れのピロートーク#1

「もしもし」

「もしもし。梨香です。今ついたんですけど、どこにいますか~?」

 

 緊張している僕をよそに、梨香は友達と話すときのような軽い砕けた口調で電話に出た。跳ねるような明るい高い声で、僕は「いい声をしているな」と反射的に思った。

 

「改札出てまっすぐいったところにいるよ。梨香さんは?」

 

 メッセージしたての頃、僕は「梨香さん」と呼んでいたのだが、梨香から「タメなので呼び捨てがいい」と言われたので、呼び捨てで呼ぶようになった。会ったときも呼び捨てがいいと、そのとき梨香は言っていた。

 

「今改札出ました。どこですか~?」

 

 僕は今改札から出てきた人混みをじっと見つめる。その中に、耳に携帯を当てている小柄な女性がいた。梨香だ。

 

「あ、見つけた」

「え、どこですか?」

 

 僕は手をあげる。

 

「改札の正面だよ。今ね、手あげてる」

 

 梨香は耳に携帯を当てながらキョロキョロしていた。その姿が可愛らしかった。

 

「どこ~?」

「まっすぐいったところだよ。そう、そこ! そのまままっすぐ」

 

 そう言うと、キョロキョロしていた梨香が止まった。どうやら僕を見つけたようだ。

セックス体験談|別れのピロートーク#1の画像1
※イメージ画像:Getty Imagesより

「見つけた! 今行きますね!」

 

 梨香が小走りでこちらに近づいてくる。嬉しそうなその足取りに、こちらも嬉しくなった。

 白のTシャツにショートパンツ。むき出しになった生足は細くはないが、程よくむっちりとしていた。小走りでこちらに向かうとき、胸が少し揺れていた。梨香は肉感のある抱き心地が良さそうな体つきをしていた。

 梨香は僕の目の前に着くと、開口一番「暑いですね」と言って、Tシャツをつまみパタパタとあおいだ。

 

「暑いね」

「めっちゃ暑いですよ。こんな暑い中待たせちゃってごめんなさい」

「全然大丈夫だよ。俺もさっき着いたばっかだし」

 

 梨香が話しかけてくれるが、僕の視線は梨香の胸元にいってしまう。梨香は想像よりも小柄だった。身長はおそらく150センチもないだろう。僕の身長は170センチくらいなので、20センチ以上も差がある。だから、どうしても梨香を見ようとすると、胸元が目に入ってしまう。

 梨香がTシャツをパタパタするたび、チラチラと谷間が見える。そして水色の下着も。

 

「それじゃあ、カラオケ行きましょうかっ!」

 

 そんな僕の視線に気付くこともなく、梨香は歩き始める。汗をかいているせいか、梨香の背中にTシャツがくっついていた。そのせいで、ブラがくっきりと透けて見えた。この子はもしかしたらけっこう無防備なのかもしれないと、僕の股間は今日の気温のように熱くなった。

 カラオケ屋に入ると、涼しい風が一気に体を包み込んだ。横を見ると梨香は嬉しそうな顔をしていた。

 

「涼し~い」

「ね、涼しいね」

「私暑いの苦手なんですよ」

「そうなんだ」

 

 梨香を見ると、確かに顔に汗が流れていた。梨香はまたTシャツをパタパタさせる。思わず、胸元に目線がいってしまう。谷間が見えたわけではないが、そこに汗ばんだ乳房があると思うとドキドキした。

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